研究課題/領域番号 |
19K14701
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 大阪大学 (2021) 東京大学 (2019) |
研究代表者 |
長井 遼 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(PD) (80838285)
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研究期間 (年度) |
2021-03-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 電弱対称性の破れ / 低エネルギー有効理論 / 素粒子質量起源 / 電弱精密測定 / コライダー物理 |
研究開始時の研究の概要 |
2012年にLHC実験でヒッグス粒子が発見されて以降,ヒッグス粒子の背後に潜む新物理現象を探ることを目的とした,有効理論の方法が精力的に研究されている.従来の研究では,標準模型に含まれない粒子はTeVスケール以下に存在しない,といった特殊な状況が仮定されていたが,この仮定は現在までの実験結果と無矛盾な全ての新物理模型に適応されるものではない.そこで本研究では,新物理をより包括的に探索していくために,あらゆる拡張ヒッグス模型を一般的に記述する有効理論を確立させる.また,本研究によって得られる一般的知見,およびこれまでの実験結果や将来実験から得られる情報を総動員し,素粒子の質量起源を明らかにする.
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研究実績の概要 |
素粒子標準模型を超えた新物理に対して、これまでの「標準的」な有効理論(Standard Model Effective Field Theory (SMEFT), Higgs Effective Field Theory (HEFT) )は、素粒子標準模型に含まれない新粒子に対する物理量を計算することができない、という弱点を抱えていた。そのため、既存の標準的な有効理論は、新粒子を直接探索することを目的とした実験に対して適用不可能な枠組みであった。そこで本研究では、その弱点を克服すべく、既存の標準有効理論に対し、新粒子の自由度を系統的に取り入れる方法について研究した。
今年度は、標準模型に含まれない新たなスカラーおよびフェルミオン(物質場)を加えて、有効理論を拡張することに成功した。我々が提案した拡張有効理論(Generalized Higgs Effective Theory; GHEFT)では、有効相互作用を内部空間上の共変量と特徴づけているため、物理量との関係が明確になっており、粒子の表現による不定性などといった非物理的な冗長性を取り除いたフォーマリズムとなっている。発表した学術論文では、その有効理論の構成処方の詳細や、物質場同士のボルン散乱振幅、さらにそれらの量子補正の取り扱いについて包括的にまとめた。この一連の研究成果が業界内で評価され、第16回(2022年)日本物理学会若手奨励賞を受賞した。
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