研究課題/領域番号 |
19K14706
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
北原 鉄平 名古屋大学, 高等研究院(素粒子), 特任助教 (40759502)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | フレーバー物理 / 標準模型を超える物理 / 中間子稀崩壊 / ミューオン異常磁気能率 / 電気双極子能率 / CPの破れ / B中間子 / LHC実験 / ミュー粒子異常磁気モーメント / 超対称性模型 / 有効場の理論 / ヒッグス機構 / 電気双極子モーメント / 弱測定 / K中間子 / レプトクォーク / ミュー粒子異常磁気能率 / ALP模型 / CP対称性の破れ / 標準模型 / QED補正 |
研究開始時の研究の概要 |
フレーバーの物理は、精度よく予言可能でかつ新物理の影響を受けやすいため、その精密測定はLHC実験を超えるエネルギー領域の新物理を間接的に探索可能である。フレーバーの物理の高精度予言は、この新物理の探索感度をさらに高めることができる。K中間子、B中間子稀崩壊の将来の精密測定の結果に備えるために、様々なアプローチから精密測定の理論サイドの予言の高精度化に取り組む。研究の方法としては、標準模型予言の高精度化(長距離QED補正)、新しい測定方法(Ks→μμ)の研究及びその高精度化、そしてフレーバーアノマリーを軸に将来精密測定されるCP対称性を破る物理量間の相関関係の精査を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、フレーバー物理やミューオン異常磁気能率に関する広い範囲の新物理の現象論を調べた。特に、B中間子崩壊(B→D(*)τν)で報告されている標準模型との食い違い(アノマリー)をレプトクォーク粒子によって説明する新物理シナリオについて重点的に研究し、多角的な結果(LHC実験における特徴的な事象、Υ中間子やΛ_bバリオンにおけるレプトン普遍性の破れ)が予言されることが示された。また、ミューオン異常磁気能率アノマリーを説明可能な最小超対称性模型が、LHC実験と暗黒物質直接探索実験では未だに探索しきれていないことを示した。さらに、CPの破れを表すθ項への量子補正の基礎的な研究を行うことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、素粒子の精密測定の特にフレーバー物理を軸にし、標準模型を超える新物理の現象論を多角的に調査した。特に、B中間子崩壊(B→D(*)τν)で報告されているアノマリーを説明可能なTeVスケールにあると期待される新物理を、LHC実験における共鳴探索とは別に、どのような探索をすれば検証できるのかを明らかにした。また、B中間子とΛ_bバリオン崩壊の間の新物理によらない和則の発見は、アノマリーの観点から非常に重要であると期待される。また、θ項の基礎的な研究結果は、今後のCPの破れの研究において大いに活用されることが期待できる。
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