研究課題
若手研究
ブラックホールから相対論的速度で放出されるジェットの生成機構は宇宙物理学における最大の謎の一つである. 本研究では, 相対論的ジェットへの物質注入機構であるブラックホール近傍での電磁カスケード現象に注目し, 一般相対論的効果を考慮した上で粒子の加速と生成過程を取り入れた数値シミュレーションコードを用いて, 相対論的ジェットの生成機構の解明を目指す. 具体的には, 数値シミュレーションコードに磁気圏で起こり得るすべてのガンマ線放射機構, 粒子生成機構を取り込み, 生成した粒子の数とエネルギー分布を決定する物理過程を解明する.
ブラックホールから放出される相対論的ジェットの生成機構は未解明であり、宇宙物理における最大の謎の一つである。この機構を明らかにする上で、ジェット内部への荷電粒子の供給過程の解明が不可欠である。そこで本研究では、一般相対論的効果と粒子生成を適切に取り入れた粒子シミュレーションコードを用いてブラックホール近傍で起こる電磁カスケード現象を調べた。結果として、粒子生成に伴って発生するガンマ線の光度といった観測的に検証可能な物理量の定量的な評価を可能にした。
一般相対論的効果が顕著なブラックホールのごく近傍の物理の検証が、電波による直接イメージ観測などで可能になってきた。本研究はもう一つの直接観測の手段である、極めて短時間の変動を示すガンマ線の明るい増光現象をターゲットとし、その観測データから得られる情報の解釈に不可欠なものである。本研究で得られた結果は、ブラックホールから放出される相対論的ジェットに関係する様々な高エネルギー物理現象の解明につながると期待できる。
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