研究課題/領域番号 |
19K14722
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 日本女子大学 (2020-2021) 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 (2019) |
研究代表者 |
門内 晶彦 日本女子大学, 理学部, 講師 (20709357)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 原子核理論 / クォークグルーオンプラズマ / 光子 / 原子核衝突 / 非平衡光子 / 有限密度 / 状態方程式 / 相対論的流体力学 / 原子核(理論) / 高エネルギー原子核衝突 / ハドロン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では高エネルギー原子核衝突における光子生成の理論的枠組みを構築する。衝突ではクォークグルーオンプラズマと呼ばれる量子色力学(QCD)物質が生成される。衝突直後の即時光子と媒質由来の熱光子の評価を改善することに加えて、媒質生成前と媒質冷却後における光子の寄与を取り入れることでより完全な光子生成モデルを構築する。得られたモデルを基に、理論計算と実験データの比較からQCD物質の生成機構および有限密度のQCD相構造についての知見を得る。
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研究成果の概要 |
超高エネルギーにおける原子核衝突ではクォークグルーオンプラズマとよばれる数兆度の高温物質が生成される反応が起きる。このとき生成される光子について、その運動量分布を理解するための理論的な枠組みを構築した。高温物質から放出される光子に加えて、媒質が生成される途中段階から放出される非平衡光子の寄与を取り入れた上で、相対論的流体モデルに基づく数値シミュレーションを行った。その結果、非平衡光子の影響が重要となることを示した。また高温高密度におけるクォーク物質の状態方程式の構築を行うなど、素粒子物性に対する定量的な理解を得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では相対論的流体モデルに基づく原子核衝突における光子生成の理論計算において、これまで考慮されてこなかった非平衡光子の影響を取り入れることで、理論模型の定量性を高めることができた。また、原子核衝突で生成される高温高密度クォーク物質に関する幅広い知見を得ることができた。これらの成果は素粒子物理と非平衡統計物理の融合分野としての原子核物理の発展に対して大きく貢献するものである。
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