研究課題/領域番号 |
19K14724
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
野崎 雅弘 国立研究開発法人理化学研究所, 数理創造プログラム, 基礎科学特別研究員 (20804777)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 量子もつれ / 非平衡現象 / information scrambling / ホログラフィー / 熱化 / 量子カオス / エンタングルメント・エントロピー / 非平衡 / 量子情報 / ゲージ/重力対応 / スクランブリング / 非一様性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は情報のスクランブリングという現象を定量的に理解することによって、熱化と量子カオスの両現象のメカニズムを定量的に解明することである。熱化・量子カオスは非平衡過程を深く理解する上で重要な現象であるが初期状態と系のダイナミクスに依存した非常に複雑な現象であるため、これらの現象のメカニズムを直接的に解明することは困難を極める。一方で両者に共通した、ダイナミクスに強く依存する、重要な現象として局所的に初期状態の情報が失われる情報のスクランブリングがある。申請者はこの現象を解明することにより、熱化・量子カオスのメカニズム、両者の関係、そしてより一般的な系の量子カオスの性質を定量的に解明する。
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研究成果の概要 |
本研究では、ミクロな世界を記述する量子力学を用いて、ミクロな世界からマクロな世界の特徴的な現象である熱化が起こるメカニズムを解明することを目標に研究を行った。この結果、この非平衡過程において、スクランブリング効果と呼ばれる初期状態の持つ特徴を局所的に隠してしまう効果が重要であることを発見した。また、さらにダイナミクスに非均一性を加えることで、場所に応じて、この初期状態の特徴を残す事ができることも見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究テーマである熱化現象とは、状態の量子性、つまりミクロな世界に特有の量子状態の性質が失われていく過程のことである。本研究成果の学術的意義と社会的意義のそれぞれは、状態の量子性が非平衡過程で失われていくメカニズムがより明らかになったことと、これにより、状態の量子性が重要な役割をなす量子コンピュータなどを実装する際にどの様な操作を行うべきかがより明らかになった点である。
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