研究課題/領域番号 |
19K14732
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 岡山大学 (2021) 東京大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
櫻井 雄基 岡山大学, 自然科学学域, 特任助教 (50780847)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | CMB / インフレーション / 宇宙物理 / 偏光変調器 / 半波長板 / 極低温 / ミリ波 / 偏光 |
研究開始時の研究の概要 |
宇宙のインフレーションを探索するCMB偏光観測実験の高感度化のためには、偏光変調器に使用する半波長板の偏光特性を十分に理解することが不可欠である。本研究では、半波長板の極低温環境下における偏光特性を広帯域かつ高精度で測定することを目的としている。ベクトルネットワークアナライザーと開発済みの極低温回転機構を搭載した4Kクライオスタットを統合することで、低温光学測定システムを新たに構築する。このシステムを用いて、半波長板の透過率、反射率、変調効率の測定、及び回転機構の振動や熱ゆらぎ起因の偏光特性の定量的評価を行う。最終的に、本研究成果を実際の実験に還元し、インフレーションの実験的検証を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、宇宙のインフレーション探索を行う宇宙マイクロ波背景放射偏光観測実験に使用する偏光変調器用半波長板の精密偏光特性測定を目的とした。ベクトル・ネットワーク・アナライザを用いた常温光学測定系の構築、さらに4Kクライオスタットと組み合わせた低温光学測定装置の開発によって、サファイア半波長板の反射防止開発と偏光特性(透過率、反射率、変調効率)測定を行った。これらを使用し、地上実験に使用するサファイア半波長板の特性評価に成功した。また、低温光学測定系と小型回転機構と組み合わせることで、小型サンプルでの低温偏光特性評価に成功した。これらの成果を解析に使用することで、実験の高感度化が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
宇宙マイクロ波背景放射の観測によって、これまで多くの初期宇宙の情報をもたらしてきた。その偏光観測によって、宇宙のインフレーションの実験的検証が可能と予言されているが、そのためには実験のさらなる高感度化が不可欠である。そのためには、実験装置の中でも鍵となる偏光変調器の較正、系統誤差の正確な評価が求められる。本研究では、その主要部である半波長板の反射防止の開発から、常温、低温における偏光特性評価までを行った。将来実験における実際の観測が進み、本研究の測定結果が解析に使用されることで、実験の高感度化によるインフレーション検証の早期化に貢献した。
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