研究課題/領域番号 |
19K14735
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
牛場 崇文 東京大学, 宇宙線研究所, 助教 (00810805)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 低温工学 / 低温物性 / 重力波検出器 / 熱雑音 / 重力波 / 宇宙物理学 / 宇宙線 / 相対性理論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では日本の重力波検出器KAGRAの鏡懸架系の高感度化に向け、機械的散逸の導入を抑えた接合手法を確立する。 重力波検出器の感度限界を決定する原理的な雑音の一つである熱雑音は機械的散逸の小さい接合手法を用いることにより低減可能である。しかしながら、接合によって導入される機械的散逸の大きさに関する研究は例が少なく、定量的な評価を行わなければならない。 そのため、本研究によって機械的散逸の小さい接合手法を確立し、重力波検出器KAGRAの鏡懸架系に適用することによって、重力波検出器KAGRAの感度を向上させる。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は日本の岐阜県飛騨市神岡町に建設された重力波検出器KAGRAの熱雑音低減を目指し、サファイア同士の種々の接合手法における機械的散逸の大きさを定量的に測定することである。熱雑音とは鏡やその懸架装置を構成する原子の熱振動に起因する雑音で、重力波検出器における原理的な測定限界を決める雑音の一つである。この熱雑音は機械的散逸と呼ばれる系のエネルギーの散逸速度を表すパラメータが小さいほど小さくなることが知られている。そこで、本研究ではKAGRAで使用されているサファイアの接合手法である、スミセラムおよびガリウムを用いたサファイアの接合サンプルの機械的散逸を世界で初めて測定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は重力波検出器KAGRAの熱雑音低減を目指して、KAGRAで使用されている種々の接合手法による機械的散逸の測定を行った。これにって重力波検出器KAGRAの熱雑音が低減できれば、KAGRAが検出できる重力波イベントの数が増大し、宇宙物理学や天文学へのさらなる貢献が可能となる。 また、本研究で低減を目指す熱雑音は、重力波検出器に限らず、多くの超精密計測において原理的な測定限界を与えるものである。したがって、熱雑音の低減手法を模索する本研究は原子時計に代表される時間標準分野などへも波及効果のある研究となっている。
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