研究課題/領域番号 |
19K14738
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 (2022) 東北大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
小原 脩平 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 次世代放射光施設整備開発センター, 技術員 (70834711)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | キセノンガス検出器 / ガス検出器 / アクシオン / ニュートリノ / ガス飛跡検出器 / 余剰次元 |
研究開始時の研究の概要 |
現在の素粒子理論に残された課題である強い CP 問題とゲージ階層性問題を, 余剰次元を伝搬するアクシオン(KKアクシオン)探索を通して解決を試みる. 本研究で検出器として用いるキセノンガス検出器( AXEL)では KK アクシ オンが 2 本のガンマ線に崩壊する特徴的な飛跡を捉えられるため, 先行研究にくらべて強い背景事象除去能力を有することが予想される. 本研究では, AXEL の低放射能化と長期間運用のための整備を施した上で, 2 年以上 の継続的な測定で先行研究の上限値を更新することが可能である.
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研究成果の概要 |
本研究は開発中であった高圧キセノンガス検出器を改良し、未発見粒子KKアクシオンを探索することを目的としたものである。データ取得および読み出しのエレクトロニクスの改良やガスシステムの全般的な見直しにより運転時間が伸びたほか、有効体積を増量することができた。また、511keVの信号に対して1.73% (FWHM) のエネルギー分解能を達成することができた。 一方で、これまでの実験環境では周囲の自然環境放射線および宇宙線によりトリガーがかかってしまうことで測定感度が制限されていたため、稀少事象探索実験としてよく用いられる岐阜県神岡鉱山内に、検出器を新たに設置し現在測定に向けて準備中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高圧キセノンガス検出器の開発は、本研究の物理目的以外にもニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊探索や暗黒物質探索などにも有用とされており、ヨーロッパや中国などでも類似の検出器開発が進められている。本研究で扱う物理では中でも低エネルギー側および飛跡取得に特化しており、高圧キセノンガス検出器のスケーラビリティとマルチパーパス性が向上する。本研究での物理結果はまだ発表できていないものの、素粒子物理実験における検出器開発という観点で、エネルギーに対して最も大きなダイナミックレンジを保持し様々な物理探索に対応できる検出器を開発することができている。
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