研究課題/領域番号 |
19K14743
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 仙台高等専門学校 |
研究代表者 |
加賀谷 美佳 仙台高等専門学校, 総合工学科, 助教 (10783467)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | Sub-MeVガンマ線 / 電子飛跡検出型コンプトンカメラ / SOIピクセル半導体検出器 / 電子飛跡型コンプトンカメラ / MeVガンマ線天文学 |
研究開始時の研究の概要 |
宇宙から到来するガンマ線を観測することで、間接的に暗黒物質の存在を確かめることを大目的とし、それに特化した観測装置の開発を行う。MeV ガンマ線の観測には、コンプトン散乱の原理を利用したコンプトンカメラが有効であるが、バックグラウンドガンマ線の影響により、観測が難しい。そこで、検出部に半導体ピクセル検出器を用いて、コンプトン散乱した時に出る電子飛跡を捉えることで、エネルギー分解能に優れ、バックグラウンドの低減を可能にした電子飛跡型コンプトンカメラの開発を目指す。本研究では、検出部に用いる半導体検出器の評価およびシミュレーションによるシステムの検討、検出部に用いる素子の設計を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、sub-MeV~MeVガンマ線の計測に特化した電子飛跡検出型コンプトンカメラの開発を目的としている。本研究では、京都大学でX線観測用に開発された素子を用いてプロトタイプコンプトンカメラを作成し、電子飛跡検出性能の評価を行った。511 keV のガンマ線を用いた測定試験において、電子が素子表面に沿って反跳した場合には、想定される線源の位置に再構成できていることを確認することができた。しかし、電子が素子の深さ方向に角度をもって反跳した場合、再構成がうまくいかないことが明らかになった。これらの結果から、電子飛跡検出型コンプトンカメラに適した素子の構想を検討し、新たな素子の開発に着手した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で狙っているSub-MeV~MeVのエネルギー領域は、宇宙線と装置との相互作用によって内部で発生するガンマ線などの影響によりバックグラウンドが多いことが問題となっている。これらの問題に対して、コンプトン散乱による反跳電子の飛跡を検出することでバックグラウンドの低減を試みる。この技術を用いた宇宙観測が実現できれば、これまで観測感度が低かったエネルギー領域での高感度観測により、新たな観測結果を得られる可能性がある。また、このガンマ線可視化技術は、福島第一原発事故による放射能汚染地域の環境モニタリングや、核医学施設における核医学診断等など様々な分野で応用することができるという社会的意義がある。
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