研究課題/領域番号 |
19K14749
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 立教大学 (2021-2022) 国立研究開発法人理化学研究所 (2019-2020) |
研究代表者 |
佐藤 寿紀 立教大学, 理学部, 助教 (60825975)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 超新星残骸 / 崩壊ガンマ線 / 陽電子 / 硬X線望遠鏡 / Ia型超新星 / 崩壊γ線 / 銀河系内陽電子起源 / 元素合成 / 重力崩壊型超新星 / γ線カロリメータ / X線望遠鏡 / ブラッグ反射 / 銀河系内陽電子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ブラッグ反射を用いた44Ti専用望遠鏡とγ線カロリメータを組み合わせた気球実験の計画・設計から開始し、採用期間の4年の間に測定機器(望遠鏡)の製作・評価をすべて完了し、銀河内陽電子起源解明に向けたIa型超新星残骸の気球観測(またはその放球準備まで)を行う。
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研究成果の概要 |
本研究の大目的は、Ia型超新星から44Tiを直接観測し、約80年続く宇宙の謎である銀河系内の陽電子起源の解明をする事である。銀河系内の陽電子起源として近年有力視されている、白色矮星の核暴走爆発「Ia型超新星」から、その陽電子の供給源でもある44Tiを観測するため、観測技術開発と観測研究を進めてきた。44Ti 検出技術としては、44Ti崩壊ガンマ線である 68, 78 keV のエネルギー帯に感度の高い望遠鏡の作製とその望遠鏡を用いた気球実験を提案した。観測研究として、44Ti の代わりとなる安定Tiの観測から、陽電子起源に迫る新手法を提案できたと言える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究で得られた成果で最も注目すべきは、「安定Ti」の初めての観測である。Ia型超新星・重力崩壊型超新星の両超新星の残骸で、我々のグループは初めてこの安定Tiを観測した。この安定Tiは、当初の目的であった44Tiと同じ場所で合成される元素である。44Ti の場合、崩壊した際のガンマ線を観測する必要があるため、崩壊し切ると観測できなくなる。一方で、安定Tiであれば、プラズマ化されていれば長く観測できるため、様々なターゲットに応用できることを意味する。このように、直接的に44Tiを観測するだけでなく、同領域でできる元素にも着目する新手法を開拓できたのは、学術的価値が高いと言える。
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