研究課題/領域番号 |
19K14757
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
國生 拓摩 名古屋大学, 理学研究科, 講師 (60803442)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 大マゼラン雲 / 誘発的星形成 / スーパーシェル / 近赤外線分光器 / 星形成 |
研究開始時の研究の概要 |
大マゼラン雲には直径1 kpcにも及ぶスーパーシェルが点在し、星間物質を圧縮して星形成を誘発すると考えられているが、大きな構造のため詳細な観測が難しく、そのメカニズムは謎に包まれている。本研究では、大マゼラン雲に対し衝撃波トレーサーの近赤外[FeII]・H2輝線サーベイ観測を行い、星間物質と相互作用するシェルを徹底して見つけ出す。また近・中間赤外線データをもとに前主系列星の位置と進化段階を調べ、星形成を伴うシェルを同定する。さらに、これらの星形成シェルの分光フォローアップ観測により星間物質の物理状態を調べ、スーパーシェルによる誘発的星形成のメカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
大マゼラン雲の前主系列星4825天体について星とダストの光度を求め、スーパーシェルとの関係を調べた。その結果、シェルに付随するガスに沿って若い前主系列星が分布しており、スーパーシェルによる誘発的星形成の兆候を捉えた。一方、スーパーシェルに付随する前主系列星の星質量は他の領域に比べて系統的に小さく、スーパーシェルによる誘発的星形成は、大質量星の形成には有効でないという示唆を得た。上記の解析と並行して、スーパーシェルに付随する星形成ガスの物理量をより詳しく調べるため、南アフリカ望遠鏡IRSFに搭載する近赤外線分光器の開発を進めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大マゼラン雲は近傍の星形成銀河で、金属量が低く初期宇宙の銀河と似ているため、初期宇宙の活発な星形成活動を理解するうえで重要なターゲットである。本研究では、超新星爆発や星風の複合体であるスーパーシェルと生まれたばかりの前主系列星の関係を調べ、スーパーシェルによる誘発的星形成は、大質量星の形成には有効でないという示唆を得た。また、スーパーシェルに付随する星形成ガスの特性を詳しく調べるため、南アフリカ望遠鏡IRSFに搭載する近赤外線分光器の開発を進めた。この観測装置は、本研究に限らず他の様々な観測研究でも有用である。
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