研究課題/領域番号 |
19K14767
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
|
研究機関 | 統計数理研究所 (2020-2022) 国立天文台 (2019) |
研究代表者 |
白崎 正人 統計数理研究所, 統計思考院, 助教 (70767821)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 超銀河団 / 重力レンズ / 銀河団 / 高速電波バースト / 熱的スニアエフゼルドビッチ効果 / X線 / 宇宙マイクロ波背景放射 / 宇宙大規模構造 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では, 宇宙論的な大体積の中で銀河スケールの解像度を持つ重力計算とガスの準解析モデルの組み合わせにより, 観測される銀河団の特徴をシミュレートし, 観測量と銀河団質量がどのように関連しているかを調査する. シミュレーションで得られるモデル銀河団に実際の観測データ同様の解析手法を適応することで, 推定される質量と真の値に違いが出ないような統計手法を開発する.
|
研究実績の概要 |
2022年度は、銀河団に関する2つの研究を行なった。1つ目の研究は、すばる望遠鏡戦略枠による銀河撮像観測「Hyper Suprime Cam」(HSC)サーベイで観測された銀河カタログをもとに、銀河とダークマターの二次元地図から、複数の銀河団が連なる超銀河団と呼ばれる天体を赤方偏移0.55で発見し、超銀河団の構造を詳細に調べたものである。宇宙論的構造形成のシミュレーションを利用した模擬観測結果と比較すると、観測された超銀河団(通称キングギドラ超銀河団)は太陽質量の10の16乗倍の質量を持つと推定され、観測可能な宇宙に存在する天体の中でもトップクラスの巨大構造であることが明らかになった。2つ目の研究は、アタカマ宇宙論望遠鏡の宇宙マイクロ波背景放射の観測で検出された96個の銀河団の周辺の質量分布を、すばるHSCサーベイの観測データを用いて詳細に調べた研究である。この研究では、すばるHSCで検出された銀河の像が、前景の銀河団重力によってコヒーレントに歪むという重力レンズ現象を利用し、銀河団の総質量を推定した。さらに、銀河団ガスと静水圧平衡から予想される質量との違いを詳細に調べたものである。解析結果は論文の形にまとめられており、現在HSC重力レンズワーキンググループ内での内部レビューの段階にある。HSCコラボレーションの取り決めのため、内部レビューにある段階で、結果の内容について記載することは差し控える。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定では、2022年度で全ての解析を終え論文を公表するはずであったが、HSC銀河観測の解析結果の解釈に時間がかかったことの影響を受け、アタカマ宇宙論望遠鏡で検出された銀河団の重力レンズ解析については2022年度内に論文を公表することができなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
アタカマ宇宙論望遠鏡で検出された銀河団の重力レンズ解析については、現在解析を終え、HSCコラボレーションの内部レビューの段階にある。レビューの結果を受け、フィードバックにしかるべき対応をしたのち、2023年度前半までには論文を投稿し、年度内に論文の掲載受理を目指す。
|