配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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研究開始時の研究の概要 |
本研究では, 巨大ブラックホール周辺の「磁場」という最も基本的な物理量を理論・観測を連携して決定する. 宇宙史解明において, 宇宙の基本構成要素である巨大ブラックホールの理解は必要不可欠である. しかし, 未だに巨大ブラックホールの周辺物理はよくわかっていない. その理由の一つが周辺磁場がわかっていないことである. そこで, 本研究では理論・観測を連携し, 巨大ブラックホールに付随するコロナからのシンクロトロン放射を捉えることで, 数十シュバルツシルト半径の範囲における「磁場」を世界で初めて測る.
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研究実績の概要 |
本研究計画の目的は、巨大ブラックホール周辺の「磁場」という最も基本的な物理量を理論・観測 を連携して決定することにある。 そのために、降着円盤理論・ 電波観測・X線観測を連携し、巨大ブラックホールに付随するコロナからのシンクロトロン放射を捉えることで、数十シュバルツシルト半径の範囲における 「磁場」を世界で初めて測ることを目指している。 これまでの成果において、我々は ALMA 望遠鏡を用いて、近傍の活動銀河核からコロナ由来のシンクロトロン放射成分を捉え、コロナが40 シュバルツシルト半径程度に広がり、また磁場強度は10ガウス程度であることを初めて明らかにしている (Inoue & Doi 2018, ApJ, 869, 114)。さらに、活動銀河核コロナに存在する高エネルギー粒子の加速起源も明らかにし、近年 IceCube Collaboration によって報告されている TeV 高エネルギーニュートリノの起源として、活動銀河核のコロナが重要な役割を果たしている可能性も示した (Inoue, Khangulyan, Inoue, & Doi 2019, ApJ, 880, 40; Inoue, Khangulyan, & Doi 2020, ApJL, 891, 33)。本成果は 2022年度に出版された IceCube の Science 論文においても近傍活動銀河核NGC 1068 の起源としても有力視されている旨が記されている。また、コロナからの高エネルギー放射について、Galaxies誌からレビュー論文を出版した (Inoue, Khangulyan, & Doi 2021, Galaxies, vol. 9, issue 2, p. 36) 今年度は国立天文台のALMA共同科学研究事業派遣していただいた ALMA PD とともに NGC 1068のALMA観測に取り組み、kpc-scale の ALMA 観測結果を論文化した。
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