研究課題/領域番号 |
19K14789
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
神山 徹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究チーム長 (40645876)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 金星 / スーパーローテーション / あかつき / LIR / UVI / 雲追跡 / 惑星気象学 / 熱潮汐波 / 惑星波 / 惑星大気 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の金星周回衛星による長期探査から、金星ではわずか数年で太陽光吸収量が全球規模で50%も増減し、それに相関する形で東西風速も顕著に変化するなど、金星版気候変動ともいうべき状態にあることが明らかになった。風速の変化には余った運動量を大気の中で分配、あるいは収集する何らかのメカニズムが必要になるが、このような運動量サイクルは全く明らかでない。そこで本研究では他の惑星で風速を調整する「大気波動」に着目し、背景風速の変化へ大気波動がどのように応答し、それに伴う運動量輸送が逆に背景の風速をどのように変化させるかを観測・数値計算両面から明らかにすることで、金星版気候変動の理解を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では大気中の運動量輸送に主要な役割を果たす大気波動に着目し、その3次元的構造や時間変動を観測から明らかにすることを最大の目的とし、データ同化など数値計算による研究と連携することで、金星大気の変動要因の解明を目指す取り組みを行った。 金星探査機「あかつき」搭載の熱赤外線カメラLIRの長期観測データからは、大気波動の中でも運動量輸送に特に重要と考えられている「熱潮汐波」について、その3次元構造決定に初めて成功した。またこの熱潮汐波がいつも同じように存在するわけではなく、振幅の増減を繰り返すさまも確認している。加えてデータ同化を通じて数値計算モデルの再現度向上に、この観測成果が貢献した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、あかつき搭載機器の中でもこれまでの金星探査の中でもっとも継続的にデータを収集しているLIRを活用し、重要性が指摘されながらも得られていなかった熱潮汐波と呼ばれる現象の3次元構造を世界で初めて明らかにするなど、金星大気理解を推し進める結果となっている。実際にこの観測結果により数値計算モデルの不完全性が明確になり、その修正が一つの研究テーマにもなるなど学術的な広がりを見せている。 またあかつきミッションとの連携によりコミュニティの他の研究者と連携ができたことで、多数の論文成果が得られたこと、海外コミュニティとのコミュニケーションが継続できるなど科学成果の普及・発展に貢献した。
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