研究課題/領域番号 |
19K14795
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17020:大気水圏科学関連
|
研究機関 | 岡山大学 (2021-2022) 九州大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
道端 拓朗 岡山大学, 自然科学学域, 准教授 (30834395)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | エアロゾル・雲相互作用 / 全球気候モデル / 降水 / 放射強制力 / 微物理 / 気候モデル / 降水過程 / 氷晶 / 過冷却水滴 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、気候モデルにおける最大の不確実要素である雲・降水過程のモデリング手法の高度化を実施する。特に、全球水循環・放射収支に対して影響が大きい固体降水のモデリング手法、およびそれらの放射過程を重点的に改良する。具体的には、雲氷・降雪・雹・あられといった固体降水の粒子系をシームレスに表現する新しい雲・降水スキームを開発し、全球エアロゾル・気候モデルに実装する。素過程レベルでのモデルの精緻化を実施することにより、凝結生成物の水平・鉛直分布が現実大気と整合的であるよう改良を重ね、より信頼性の高い気候変動予測に資することを目標とする。
|
研究成果の概要 |
本研究では、数値気候モデルに適用する新しい固体降水スキームを開発し気候予測の高精度化を目指した。従来のスキームでは、雲氷・降雪粒子の微細な構造や形状、複雑な粒子間相互作用を適切に表現できず、放射収支・水循環の再現性の不確実性の主因となっていた。この問題を改善するために、降雨・降雪予報型のパラメタリゼーションを導入し、特に大きな不確実性を持つ雲氷・降雪粒子の表現手法を高度化した。新スキームの導入により、より現実的な雲量分布・放射強制力が再現可能となったほか、気候感度に及ぼす影響についてもメカニズムレベルで解明することができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発した新しい固体降水スキームを導入することで、雲氷・降雪粒子の微細な構造や形状、複雑な粒子間相互作用をより精緻に表現することが可能になった。現実的な雲量分布や降水の頻度・強度の改善が達成できたことで、将来の温暖化時にどのように雲が変化し、降水特性がどう変化するのかを適切にシミュレートすることが可能になると期待される。従来型モデルよりも高精度の温暖化予測が可能になった場合、適切な環境政策や温暖化対策に貢献することに加え、人間の健康リスクや水ストレス変化を適切に評価するなど、社会的にも多方面に波及効果のある研究成果として活用されると期待される。
|