研究課題/領域番号 |
19K14805
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17030:地球人間圏科学関連
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研究機関 | 東京大学 (2021-2022) 立正大学 (2020) 九州大学 (2019) |
研究代表者 |
平林 頌子 東京大学, 大気海洋研究所, 講師 (40835641)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | U/Th dating / Marine mollusks / Radiocarbon / U/Th年代測定 / 貝試料 / 放射性炭素年代測定 / ウラン系列年代測定 / ICP-MS / 貝 / 第四紀学 / 貝類 / 年代測定学 / ウラン同位体 |
研究開始時の研究の概要 |
一般に貝試料はウランに関する閉鎖系を保持せず、U/Th年代測定試料として不適格とされてきたが、近年の研究により、種によっては貝試料のU/Th年代測定の可能性が示唆された。しかし、ウラン系列核種の貝殻への取り込みプロセスや、ウランの閉鎖系成立条件は未解明である。本研究では、U/Th年代測定に適応可能な貝の選定指針確立を目的とし、現生貝試料のウラン系列核種の化学分析に加え、地形的要因(堆積環境、水塊変動)と生態学的要因(周囲の海水、餌)を考慮した複合アプローチを行う。U/Th年代測定法が確立しているサンゴ骨格試料と比較し、日本周辺に幅広く分布する貝試料のU/Th年代測定の適応可能性評価を行う。
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研究成果の概要 |
一般に、二枚貝や巻貝などの軟体動物殻はU/Th年代測定の試料として不適格とされてきた。これは、軟体動物殻がウランに関する閉鎖系を保持しないことが原因と言われているが、近年の研究により、種によっては貝殻試料のU/Th年代測定が可能であることが示唆されている。しかし、ウラン系列核種の貝殻への取り込みプロセスや、貝殻のウランの閉鎖系が成立する条件は未解明である。本研究では、日本周辺に幅広く生息するTurbo sp.の現生および化石試料を用いて、貝殻内のウラン分布について明らかにすることを目的とし、貝試料のU/Th年代測定の適応可能性評価を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
U/Th年代測定に使用可能な生物化石は石サンゴ類に限られており、放射性炭素年代測定の限界を超える5万年以前の高精度年代決定が重要な課題となっている。造礁サンゴに比べ、貝はその分布域が熱帯域から高緯度域に渡り、U/Th年代測定に使用可能な貝試料を見つけることができれば、高精度年代決定可能な地理的・時代的範囲が大幅に拡大することが期待される。本研究ではTurbo sp.を用いて、貝試料中のウラン分布の偏在要因を考察し、得られるU/Th年代値について試算した。本研究成果は貝試料に取り込まれるウラン濃度の挙動を解明し、 U/Th 年代測定可能な種の選定指針の確立に向けた重要な知見である。
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