研究課題/領域番号 |
19K14820
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
松本 恵子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (10803926)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 火山 / 爆発的噴火 / 鉄酸化鉱物 / 酸化 / 大気 / 実験 / 噴火 / 岩石組織 / その場観察 / 高温実験 / 爆発噴火 / マグマ / 噴火推移 / 新燃岳 / 石基結晶 / 色調 / 桜島火山 / 浅間火山 / 噴煙 / 火山噴火 / 硫化鉱物 |
研究開始時の研究の概要 |
爆発的な火山噴火では,破砕マグマと大気との混合過程が噴煙のダイナミクスを支配する.これらの混合過程を噴出物から岩石学的手法で制約するため,周囲の酸素分圧に敏感な硫化・鉄酸化鉱物に着目し,光学・電子顕微鏡を用いてその種類・微細組織・量などの岩石学的解析を行う.あわせて高温酸化実験により天然噴出物の鉱物組織を再現し,天然試料と実験産物との相互比較をすることで,爆発的噴火での噴出物の温度・酸素雰囲気の時間発展を制約する.本研究は過去の噴出物に基づく噴火ダイナミクス推定に貢献する.
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研究成果の概要 |
天然の火山噴出物と実験産物の多様な酸化組織を分類・整理し,噴火プロセスとの紐づけを試みた.桜島・浅間火山の異なる爆発的噴火タイプの噴出物の観察から,硫化鉱物に伴う酸化組織が噴煙内部の大気混合過程を反映することを明らかにした.新燃岳2018年噴火の赤色噴出物の観察では,苦鉄質鉱物表面の赤色微粒子が赤色の要因と特定し,実際の噴火プロセスとの比較から,溶岩噴出から2週間程度の形成時間と見積もった.加熱・冷却実験では,酸素雰囲気によらず出発物質により石基鉱物組織や色調の変化に相違が見られた.輝石のその場加熱酸化実験では,少なくとも2種類の鉱物が数十分で成長することを確認した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
噴火に際してマグマは大気により瞬時に急冷するとみなされ,これまで爆発的噴火の酸化組織の詳細な記載や形成過程はほとんど議論されてこなかった.しかし,現に赤色酸化した火山噴出物は普遍的に存在する.肉眼で認知される赤色化だけでなく,これまで認識されていない酸化組織も含めてその種類・形成条件・形成過程が明らかになれば,マグマと大気との相互作用の履歴を噴出物から制約できる.直接観測が不可能な噴火前マグマに対する大気の影響や噴煙内部の温度・大気構造の推定が実時間・過去を問わず可能となり,物質解析に基づく噴火ダイナミクスの理解につながる.
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