研究課題/領域番号 |
19K14821
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
中村 佳博 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (60803905)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 炭質物 / グラファイト / 顕微ラマン分光法 / 高温高圧実験 / 顕微ラマン分光分析 / 変成岩 / 反応速度実験 / 有機物 / 低温変成作用 / 反応速度 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は野外地質調査と反応速度実験を組み合わせることで,これまで議論が困難であった低変成度堆積岩・新生代堆積物から高変成度堆積岩までの温度圧力条件を定量可能な炭質物の地質温度圧力速度計を構築する.この手法の利点として短時間で簡便に汎用的な分析装置で温度圧力条件を計測できる.この利点を生かして,日本に広く分布する付加体や低変成度の岩石を大量に分析を行い,地質構造と変成温度構造の比較を行う.そして得られた温度圧力条件の変遷から地質構造発達史を議論する.さらに取得した天然データを反応速度実験に反映させることで,より高精度な地質温度圧力速度計の開発と炭質物結晶構造進化の素過程を解明する.
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研究成果の概要 |
申請者は低変成度堆積岩から高変成度堆積岩に適用できる炭質物の結晶性に基づく新しいタイプの地質温度圧力速度計の開発のために装置開発と高温高圧実験を実施した.装置開発では,低温領域で確立されている温度指標であるビトリナイト反射率測定と顕微ラマン分光装置による炭質物分析が同時に測定できるシステムを構築した.そして高圧高圧実験により高圧条件下での石墨化に必要な活性化体積を実験的に決定した.この2つの成果から低温領域まで温度計を外挿しより利便性の高い炭質物温度計の構築が可能となった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
岩石被熱温度が現在より正確に測定できれば,変成岩地域の高精度な地質情報を社会に提供できるようになる.現在我々が作成している地質図は,建築物施工や防災計画の観点から広く利用されており,この研究の発展により一段の利活用が期待される.さらに我々の作成している地質温度計は,これまで研究が困難であるにも関わらず日本に広く分布する低変成岩石に焦点を当てている.そのため炭質物を利用した高精度な変成作用の解析から日本の新しい地質構造発達史の構築が可能となる.
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