研究課題/領域番号 |
19K14824
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 千葉工業大学 (2021-2023) 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 (2019-2020) |
研究代表者 |
岡本 尚也 千葉工業大学, 惑星探査研究センター, 研究員 (80756130)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 小天体 / 微小重力 / 衝突実験 / クレーター / 低重力 / クレーター形成 / 高速衝突実験 / 室内衝突実験 / 数値衝突計算 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、様々な小天体表面上のクレーター詳細画像が取得されてきただけでなく、はやぶさ2計画により世界初の小惑星上での宇宙衝突実験が行われた。これらの天体は非常に重力が微小であるが、クレーター形成に微小重力がどう影響を与えるかの理解は乏しい。本研究では簡易な落下塔を高速衝突施設のチャンバー内に構築し、秒速数キロメートルの衝突速度での微小重力衝突実験を実現することを目指す。また同時に数値シミュレーションを実行し、衝突実験の結果との比較を通して数値シミュレーションの妥当性を検証し入力パラメータの較正を行う。得られた結果をもとに、小天体、特に小惑星Ryuguの表層について議論を行う予定である。
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研究成果の概要 |
本研究では, 0.04ー0.07Gの模擬低重力下で秒速数キロメートルの超高速度衝突実験を低コストで行える落下装置を開発した.本装置を用いて,様々な粒状物質に対して低重力下での超高速度衝突実験を行った結果,粒径が数100 μmの標的試料ではクレーター形成において重力の影響が支配的であるのに対し,粒径が40 μmの標的試料では固着力の影響が支配的となることが明らかとなった.重力と固着力の影響が逆転する領域を実験的に観察し,重力支配領域から強度支配領域へ遷移する条件を求めた.本研究によって, 小惑星表層の微小重力下での衝突現象の詳細な理解につながることが期待される.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では, 開発された落下装置により低重力下で高速衝突実験を容易に繰り返し行うことが可能となった.これにより低重力環境でのクレーター形成の基礎的な情報が次々と得られ, 地上重力下のクレーター形成との比較を通してクレータ形成過程についての理解がより一層深まることが期待される.また,地上実験データと直接探査で得られたデータを組み合わせることで,小天体および太陽系の形成過程の研究が進展することが期待される.加えて,地球とは異なる重力環境下での粒子層のふるまいの理解は,探査機の着陸ミッションや将来的な宇宙インフラの整備などにおいても知見を与えるような進展を展望できる.
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