研究課題/領域番号 |
19K14826
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 神戸大学 (2020-2022) 国立研究開発法人海洋研究開発機構 (2019) |
研究代表者 |
細野 七月 神戸大学, 理学研究科, 特命助教 (70736298)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 月 / 地球 / 月形成 / 巨大衝突 / 地球・惑星形成 / 数値計算 / 惑星形成 |
研究開始時の研究の概要 |
今から46億年前に起きた地球への天体の衝突を「巨大衝突」と呼ぶ。主にコンピューターシミュレーションによる惑星科学の分野において、この現象は月の誕生の一因として有力視されている。巨大衝突の際、地球の表面のマグマオーシャンが、月の誕生において重要な意味を持つ可能性が近年示唆された。しかしながら、マグマオーシャンを持った惑星への衝突について、コンピューターシミュレーションを用いた研究は未だ行われていない。 本研究では、現在の地球の月が誕生する過程で巨大衝突が要因となるかどうかに関して、コンピューターシミュレーションを行い、検証する。
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研究成果の概要 |
巨大衝突とは、地球の月の起源になったとされている現象であり、これまでに幾つかの数値計算によりその妥当性が検証されてきた。これによるり、月は衝突してきた側の天体から形成された事が示唆された。一方で、高精度同位体比計測を地球及び月の石に行うと、月は原始地球の側から形成される事がわかり、数値計算結果と矛盾した。 本研究では、この巨大衝突時に、原始地球の上にマグマオーシャンと呼ばれる液体岩石の層が存在する場合を考えた。液体岩石の状態方程式として、我々が開発したものを含め幾つか提案されているものを用いて計算した。その結果、我々の状態方程式を用いた場合、原始地球から多くの物質が円盤に行く事がわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地球と月の石の同位体比が一致するという事実を説明するために、近年では幾つか標準的では無い衝突シナリオを提唱する研究も多い。しかしながら、それらの研究ではどれも基本的に確率的には低い現象であるという問題もある。我々のマグマオーシャン仮説では、原始地球の上にマグマオーシャンが存在する以外は標準的な巨大衝突シナリオと変わらないため、惑星形成後期では珍しくないイベントであると言える。また、本研究から、原始地球にマグマオーシャンが存在した時期、深さなどにもある程度成約がかけられると考えられる。本研究は、惑星科学及び地球科学から見ても重要な研究であると言える。
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