研究課題/領域番号 |
19K14835
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤村 奈央 北海道大学, 工学研究院, 助教 (40732988)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 表面改質 / 疲労特性改善 / 組織の微細化 / マグネシウム合金 / 機械材料・材料力学 / 疲労 |
研究開始時の研究の概要 |
軽く比強度の高い軽金属は構造用材料として活躍が期待されるが、強度・耐久性の低さから用途が制限されるため、これらを向上させるための表面改質技術の開発は重要な課題である。また、軽金属の疲労特性に関する研究は鋼に比べて少なく、将来的な信頼性・安全性を確保するためその破壊機構を把握する必要がある。本研究では、低荷重の振動圧縮負荷を金属に走査しながら与えることで表層組織を微細化する新しい表面改質技術Scanning Cyclic Pressを用い疲労特性改善を試みる。また、改質後の表面粗さ測定や組織観察から改善効果に及ぼす加工パラメータの影響を検討し表面改質を施した材料の疲労特性改善機構を明らかにする。
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研究成果の概要 |
金属表面に振動圧縮負荷を走査することで表層を改質する技術Scanning cyclic press: SCPにおいて,加工パラメータが本手法による疲労特性改善効果や組織の変化に及ぼす影響を明らかにするため,圧縮負荷の大きさと繰返し数を変化させてマグネシウム合金AZ31に表面改質実験を行った.その結果,SCPによってAZ31表層に微細粒を含む改質層が形成され,疲労特性が未処理材に比べ大幅に向上した.改質層の深さや微細粒の大きさ等は加工パラメータによって異なり,例えば圧縮負荷の大きさが大きい方が,微細な粒を含む組織を短時間で深くまで形成し,疲労特性改善効果を得ることができた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
SCPは金属表面に振動圧縮負荷を走査することで表層を改質する新しい表面改質技術である.本手法では圧縮負荷の大きさ,繰返し数,走査速度など種々の加工パラメータを調整することで改質組織や疲労特性改善等の効果を得るが,これらが改質機構や組織,諸特性に及ぼす影響は十分に明らかになっていない.SCPは高精度に制御された加工を表面に施すことで材料の諸特性を改善することができるため,機構に基づいて合理的に加工条件を設定し効果を得ることができれば,例えば新材料導入の期間短縮や,強度に関しては弱点がある機能材料を導入できるようになるなど,材料の適用範囲を拡大し,優れた特性を有する機器・構造物の実現が期待できる.
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