研究課題/領域番号 |
19K14839
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
久保 淳 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (40760335)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ゴム / 破壊力学 / き裂進展 / 有限要素法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、ゴム材料中のき裂進展「速度転移」現象(荷重の増大に伴い、き裂の進展が不連続的に加速される現象)の発生条件を明らかにし、ゴム材料の強靭化・長寿命化のための材料設計指針を与えることである. (1)数値シミュレーションを実施することで、速度転移現象への影響因子となる材料物性を特定する. (2)材料物性から速度転移挙動を予測する理論モデルを構築することで,ゴム材料のき裂進展を抑制するための材料設計指針を提案する.
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研究成果の概要 |
本研究では,ゴム材料のき裂進展における速度転移現象(外力負荷量がある閾値を超えた際にき裂進展が急激に加速される現象)のメカニズムを解明することを目的として,有限要素法(FEM)解析および数理モデル解析をおこなった.FEM解析においては,き裂進展のシミュレーションにより,転移エネルギー(速度転移を発生させるために必要な引裂きエネルギー)を評価した.材料の力学パラメータを系統的に変化させて解析を実施することで,転移エネルギーへの影響因子を明らかにした.理論モデル解析では,FEM解析で得られた描像に基づき,き裂先端近傍の力学状態から転移エネルギーを推定するための関係式を導出した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
き裂進展速度転移現象はゴム材料の寿命と非常に密接に関連しており,速度転移を引き起こす「転移エネルギー」が大きいほどき裂が進展しにくく,疲労や摩耗に強いということが知られている.つまり転移エネルギーの大きいゴム材料を開発すれば,製品の強靭化・長寿命化が実現できる.本研究では,弾性や粘性といった既知の力学パラメータと転移エネルギーの関係を明らかにした.本研究の成果により,転移エネルギーを向上する(つまり,ゴム材料を強靭化する)ための材料設計指針が得られ,材料開発における大幅なコスト削減および製品の長寿命化による環境負荷の低減などの効果が期待される.
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