研究課題/領域番号 |
19K14848
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
熊谷 正芳 東京都市大学, 理工学部, 准教授 (20582498)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 低サイクル疲労 / 疲労損傷 / 転位組織 / X線回折 / 中性子回折 / ラインプロファイル解析 / 加工硬化 / オーステナイトステンレス鋼 / 加工誘起マルテンサイト / 応力分配 / 回折線 / 量子ビーム / 疲労組織 / 疲労 / 中性子線回折 |
研究開始時の研究の概要 |
金属材料の疲労現象の理解や評価、予測などの知見は学術的のみならず実用上も重要であり、き裂発生前の早期損傷評価が非破壊で可能となれば、経済的にも安全性の面からも意義が大きい。そのため本課題ではき裂発生前段階での疲労損傷評価法の開発を目指しており、評価法構築に向けた基礎研究として、疲労現象と密接な関係がある転位の蓄積など材料の微視組織の状態をX線などの回折法(ラインプロファイル解析法)により評価し疲労現象との関係を明らかとする。
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研究成果の概要 |
オーステナイトステンレス鋼を対象に、低サイクル疲労を模擬して繰返し負荷を加え、その際の転位組織の変化を中性子を用いたラインプロファイル解析により評価した。繰返しに応じて変化する転位組織を転位密度に加えて、転位キャラクターや配置パラメータと併せて考察することで、その形態を予測できる可能性を示した。また、マクロ的には単調に加工硬化するが、母相のオーステナイト相は加工硬化から軟化に転じた。このとき加工誘起変態によりマルテンサイトが形成され、この相が応力を負担していることを示した。これらのことによりX線や中性子の回折を用いた疲労損傷評価への適用可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
機械構造物を設計する際にはその疲労寿命を予測し、使用期間中に破壊に至らない様に設計されるが、実使用環境においては予想外の負荷が加わるなど必ずしも予測通りの寿命とはならない。そのため、実際の部材の状態を評価し、安全性を担保することが欠かせない。そのため疲労損傷評価・余寿命予測などが行われるが既存の検査・評価手法は使用中の部材の疲労損傷評価はき裂の検出などによる方法がほとんどである。本研究で用いたX線や中性子回折を用いた材料の微視組織評価にもとづく方法が実用化されれば、き裂発生前段階の疲労損傷評価法として経済性安全性の観点から社会に貢献が期待できる。
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