研究課題/領域番号 |
19K14873
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分18040:機械要素およびトライボロジー関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
神田 航希 東北大学, 工学研究科, 特任助教 (60803731)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 血漿タンパク質 / 低摩擦発現血漿タンパク質 / 低摩擦発現タンパク膜形成 / 炭化ケイ素 / メカニカルシール / 低摩擦 / 吸着制御 / バイオトライボロジー |
研究開始時の研究の概要 |
補助人工心臓や人工関節に代表される人工臓器は血液や関節潤滑液中のしゅう動部を有し,臓器の機能を補助・代替する. 従って低く安定した摩擦と低摩耗が埋込後の長期間に渡ってしゅう動部に求められる. 炭化ケイ素同士から構成される摩擦対の血漿中におけるしゅう動部には変性した血漿タンパク質から構成される膜が形成されることが知られている. そこで本研究では摩擦条件下における血漿タンパク質の挙動の詳細な解析を行い,血漿タンパク質の変性状態に着目し,変性状態の発現に寄与する力学的因子を明らかにする. これを基に,タンパク質の変性を制御して低摩擦を半永久的に実現するためのしゅう動面設計指針を構築する.
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研究実績の概要 |
人体内で使われる補助人工心臓に搭載されるメカニカルシールのような摩擦システムにおいて,タンパク質溶液中での低摩擦の継続的発現と生体適合性が求められる.摩擦により界面に形成される血漿タンパク質由来の膜が低摩擦を発現しうる事は既に明らかにされており,形成機構の解明および材料の選択・設計指針が求められる.しゅう動面における血漿タンパク膜の変性抑制・吸着制御が低摩擦実現のための鍵を握る.本研究では摩擦部における血漿タンパク質の変性抑制を可能にするダブルネットワーク(DN)ゲルを用いたボールオンディスク型の摩擦試験をアルブミン・フィブリノーゲン溶液中で室温にて行い,しゅう動面における血漿タンパク質の吸着機構・低摩擦発現の形成機構を解明した. その結果,以下の結論が明らかとなった.・フィブリノーゲン溶液中において形成される血漿タンパク膜は滑り方向に平行な様相を呈しおよそ100nmオーダーの膜厚を有する一方,アルブミン溶液中において形成される血漿タンパク膜は10nmオーダーの粒状であること.・フィブリノーゲン溶液中における摩擦係数はアルブミン溶液中における摩擦係数よりも総じて低下すること.・フィブリノーゲン溶液中における摩擦係数は徐々に低減するなじみ挙動を発現すること.・アルブミンとフィブリノーゲンの混合溶液中における摩擦係数は両タンパク質種が単独で存在する溶液中における摩擦係数よりも低下すること.
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