研究課題/領域番号 |
19K14879
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分18040:機械要素およびトライボロジー関連
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター |
研究代表者 |
徳田 祐樹 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 開発本部マテリアル応用技術部プロセス技術グループ, 主任研究員 (30633515)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | トライボロジー / コーティング / DLC膜 / 摩擦触媒 / 超低摩擦化現象 / 省エネルギー / 触媒作用 / オイルレス技術 / 超低摩擦 / 触媒反応 |
研究開始時の研究の概要 |
先行研究において,エタノール雰囲気中で非晶質炭素膜と二酸化ジルコニウムを摩擦すると,摩擦係数が0.001以下を示す「超低摩擦現象」が報告されている.この現象は,ZrO2の触媒作用により摩擦面に形成された,摩擦反応膜の効果と推察されている.本研究では,炭素の同位体によるラベリング法を用いて,「トライボフィルムの形成メカニズム」,「トライボフィルムの正体」,「低摩擦化のメカニズム」を解明する.
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研究成果の概要 |
本研究では、ZrO2とDLC膜をエタノール雰囲気中で摩擦することで発生する超低摩擦化現象について、この現象を引き起こす摩擦反応膜の形成メカニズムを調査した。炭素同位体(13C)で構成されたエタノール雰囲気中での摩擦試験後の反応膜への質量分析や、DLC膜以外の材料同士での摩擦試験後の反応膜への構造解析を行った結果、この反応膜はZrO2の脱水反応と脱水素化反応の二つの触媒作用が関与しており、雰囲気中のエタノールが重合反応等によりポリエチレンを介して無定形炭素膜に変化した物質であることが判明した。これらの研究成果より、当該技術の実用化に向けた新たなシステム設計指針を見出すことに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
当該技術は、エタノール蒸気を添加した雰囲気中で非晶質カーボン膜(DLC膜)とジルコニア(ZrO2)を摩擦することで著しい低摩擦化が生じる技術である。すなわち、自動車摺動部品をはじめとした摩擦材料に適用することで、燃費の向上などの省エネルギー化が可能となる。このことから、サステナブル社会の構築の一助となる研究であると考えられる。
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