研究課題/領域番号 |
19K14882
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
馬渕 拓哉 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (10795610)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | 分子シミュレーション / アニオン輸送 / 高分子 / 燃料電池 / 水素 / 流体工学 |
研究開始時の研究の概要 |
本申請課題では、研究目的を達成するために具体的に以下の3つのサブテーマを実施する。 (1) ホッピング現象を考慮したアニオン輸送シミュレータの構築、(2) アニオン伝導特性を支配する水チャンネル形状特性の解明、(3) 分子構造制御による高アニオン伝導性電解質膜の理論設計指針の提案 上記3つのサブテーマを逐次的に推進していくことで、目的を達成する。従来の古典的な分子シミュレーション手法では困難とされてきた化学変化を伴う複雑な輸送機構を考慮したアニオン輸送シミュレータを構築することで、アニオン輸送現象の本質的な理解を可能とし、輸送特性と構造特性の相関を定量的に解明する。
|
研究成果の概要 |
ホッピング現象を考慮した反応性MDシミュレータを用いて電解質膜内におけるアニオン輸送メカニズムの解析を行った。ホッピング現象を考慮するために,Empirical Valence Bond (EVB)法を基に改良を加えた独自の分子間相互作用のモデル関数を確立し,従来は困難とされてきたホッピング現象をMD計算で扱うことを可能にした。さらに、同シミュレータを電解質膜モデルに導入し、ホッピング機構と電解質膜内部の数nm程度の大きさの水クラスター構造を同時に考慮した電解質膜内部での物質移動現象を解析し、これまで明らかにされてこなかったホッピング現象がアニオン輸送に与える影響を明確にした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、ナノスケールの流体構造と輸送特性の解析からアニオン伝導の支配因子を特定することにより、マクロ現象のみの解析では解明できないアニオンの輸送特性に物理的解釈を与えるところに学術的な独自性がある。本手法による解析技術の確立は、電解質膜開発のような材料工学に限らず、化学工学や生物工学などの工学関連分野に加えて、生体分子システムを扱う生化学分野など広範な分野への応用が可能であり、学術的なインパクトも大きいと考える。
|