研究課題/領域番号 |
19K14885
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
鈴木 康祐 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (10735179)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 羽ばたき飛翔 / 数値流体力学 / 超小型飛翔体 / 3次元動体追跡 / 流体工学 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで研究代表者は,チョウの不安定な飛翔メカニズムの解明のために,単純な数値モデル(チョウを模した羽ばたき翼--胴体モデル)を構築し,そのモデルを徐々に実際の蝶に近づけていくというボトムアップ的アプローチで,多くの性質を明らかにしてきた.しかし,チョウがどのように速い前進速度と巧みな姿勢制御を実現しているかを説明できていない. 本研究では,この二つの問題を解明することを目的として,実際のチョウの飛翔を動画で撮影し,翼を前後に振る運動や前後2枚の翼の動作の遅れを始めとした特徴的な動作を抽出する(トップダウン的アプローチ).さらにその動作をモデルに搭載し,流体力学の観点からその効果を考察する.
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研究成果の概要 |
蝶がどのように速い前進速度と巧みな姿勢制御を実現しているか,という問題の解明に取り組んだ.ハイスピードカメラを用いて蝶の飛び立ち時や前進飛翔時の動きを撮影し,画像データから蝶の軌跡や関節の角度の時系列データを抽出した.それらのデータから,実際の蝶の形状や動作を忠実に模擬した数値計算モデルを作成した.埋め込み境界-格子ボルツマン法を使って,計算モデルと周囲空気の運動の連成計算を行い,飛翔中の蝶が受ける空気力や慣性力と運動の関係を明らかにした.また,形状や動作を単純化したモデルにより,腹部の運動,前後翼の位相差,翼のリード・ラグ運動による姿勢制御法を検討したが,実際の蝶から大きな差異が見られた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究期間内に実施した研究はいずれも,蝶の飛翔メカニズムを解明するための基礎的な研究であり,実際のモノ(超小型飛翔体)への応用はまだできていない.しかしながら,本研究を通して,蝶の飛翔メカニズムに関して多くのことが明らかになるとともに,蝶の巧みな姿勢制御を応用できる可能性があることが示唆されている.これらの知見を用いて超小型飛翔体を設計できれば,今までにない小型・軽量でかつ俊敏なドローンが開発できると期待される.
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