研究課題/領域番号 |
19K14894
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
藤澤 信道 早稲田大学, 理工学術院, 専任講師 (10778153)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 流体機械 / 流体工学 / CFD / 遠心圧縮機 / 旋回失速 / ターボ機械 / 内部流れ / 羽根無ディフューザ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、遠心圧縮機の幾何形状および流入条件がもたらす非軸対称性により発生する旋回失速の発生機構を解明し、失速の初生構造を実験により検証することを目的とする。研究計画を以下に示す。 1.実機試験により、渦型室により形成される不均一な圧力場および非一様流入条件が旋回失速の初生に与える基本特性を調査する。さらに、2.数値解析により、失速の初生位置およびその発生構造を明らかにし、遠心圧縮機特有の非軸対称条件下での汎用的な失速形成モデルを提案する。3.新たに壁面境界層内のせん断応力を測定する手法を確立・導入し、圧力計測と組み合わせることで、解析により明らかにした失速形成モデルを実験により検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、実験・解析両面から、サージ点近傍における遠心圧縮機のディフューザ内部で発生する旋回失速内部の非定常挙動および旋回機構を解明した。ディフューザ失速セルは渦型室の非軸対称な圧力分布に影響を受け初生し、Hub,Shroud壁面交互の境界層剥離と渦型室からの逆流に起因するディフューザ出口部の低速領域で構成されることを明らかにした。また、失速セルの前縁側で羽根車吐出流と渦型室からの逆流が合流することにより、流れ角が小さくなることで、境界層剥離と渦型室からの逆流が周方向に初生・成長し、低速領域を形成しながら失速セルは旋回していることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
社会全般で広く実用化されている遠心圧縮機を対象として、その羽根なしディフューザ部分に発生する旋回失速の初生・旋回機構を初めて解明した。従来、各種圧縮機では失速余裕と呼ばれる安全運転範囲を設定して非定常現象の発生を抑制しているが、これらの運転余裕を設ける必要性から本来要求される高い圧力比や広範な運転流量範囲を犠牲にしている。この基礎研究によって、非定常現象の発生機構が解明され、失速回避策が提案されることでより高い圧力比条件下での運転が可能となり、圧縮機性能を飛躍的に向上させると共に、将来的には温室効果ガスなどの発生を抑制する産業機械の設計手法が提案されることが期待される。
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