研究課題/領域番号 |
19K14905
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
馬場 将亮 長岡技術科学大学, 工学研究科, 助教 (10826176)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 相変化材料 / 熱マネジメント / 固―固相転移材料 / 蓄熱材料 / 熱界面材料 / 固ー固相変化材料 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,回路の集積化により,CPU,パワー半導体などの電子機器の放熱特性向上が課題となっている.従来放熱技術は熱抵抗の低い素子を用いて,円滑に放熱部に熱を輸送するという考えが主流であった.本申請課題で提案するフィルムは熱を放熱部に円滑に輸送すると伴に,それ自体が蓄熱性を有しているため電子回路の発熱を吸収可能である.つまり,電子回路中に熱的な吸収体を組み込むことが可能となる.この特徴により,電子機器の瞬間的な発熱を低減し,温度安定性の向上が可能となる.本申請課題では,高熱伝導フレキシブル蓄熱フィルムの開発という未踏分野を開拓し,熱物性学および熱工学の分野に新たな展開を与える潜在性がある.
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研究成果の概要 |
本研究では二酸化バナジウム(VO2)を用いたパッシブ熱マネジメントに着目した.パッシブ熱マネジメントは相転移材料の大きな潜熱により電子機器の発熱を吸収することで,最大温度と温度変動を軽減可能である.VO2は約68℃で可逆相転移をする固―固相転移材料であり,シリコーンなどの樹脂中に分散させることで,蓄熱シートを作製可能である.本研究では潜熱蓄熱を考慮した伝熱解析,VO2を接合した発熱体の温度測定,蓄熱シートの試作,蓄熱シートを接合した発熱体の温度測定を行い,VO2を熱マネジメント素子として用いた際の温度平準化性能および放熱性能を明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小型化可能な熱マネジメント素子として,相転移材料(PCM)が挙げられる.PCMは相転移により吸熱/発熱反応をする材料であり,さまざまな蓄熱アプリケーションに用いられている.本研究では,固―固相転移材料(SS PCM)に着目する.SS PCMは液相に相転移しないため,液漏れの恐れがなくデバイス化が容易である.二酸化バナジウム(VO2)はSS PCMであり,室温付近で可逆的な金属―絶縁体相転移をする.しかし,VO2を熱マネジメント素子として使用したときの放熱特性は明らかとなっていない.
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