研究課題/領域番号 |
19K14906
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
小林 芳成 岐阜大学, 工学部, 助教 (00827016)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 炭素繊維強化プラスチック / 燃え拡がり / 炭素繊維配合方向 / 熱的異方性 / 限界酸素濃度 / 燃え拡がり速度 / モデリング / CFRP |
研究開始時の研究の概要 |
炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は繊維配合方向に熱的異方性を有するため,均一な高分子材料を想定し,かつ面内の熱輸送は等方的に行われると仮定する従来の燃え拡がりモデルでは,CFRPの燃え拡がり挙動を予測することはできない.そこで,本研究では,炭素繊維配合方向の異なるCFRPを成形し,それらの燃え拡がり試験を行うことによって,熱的異方性が燃え拡がり挙動に及ぼす影響を明らかにする.そして,その影響を物理モデルとして定式化し,従来の燃え拡がりモデルに組み込むことにより,材料に依らない汎用な燃え拡がりモデルの構築を目指す.
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研究成果の概要 |
従来の燃え拡がり研究は,アクリル樹脂などの等方材料を対象してきた.そのため,これまでに提案された燃え拡がりモデルもそのような材料を想定したモデルとなっている.一方,炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は炭素繊維配合方向によって異方性を持つことが知られており,従来の燃え拡がりモデルではカバーすることのできない材料である.そこで本研究は,炭素繊維配合方向の異なるCFRPを製作し,それらの燃え拡がり挙動を調査すると共に,異方性の影響のモデル化に挑戦した.そして,炭素繊維を介した固相の熱輸送を考慮した新たな燃え拡がりモデルを構築し,それをもとに算出した燃え拡がり速度は実験値と良い一致を示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得られた知見および成果は,火災安全という点から固体材料の燃焼性評価に貢献することが期待できる.特に,構築した燃え拡がりモデルは,従来の燃え拡がりモデルではカバーできなかった異方材料にも適用することが可能であるため,より広範な材料の燃え拡がり挙動を予測することができる.今後は,当モデルをベースに限界酸素濃度や燃え拡がり速度などの特性値を定量予測できるよう高精度化していく.
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