研究課題/領域番号 |
19K14907
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岸本 将史 京都大学, 工学研究科, 准教授 (10757636)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 固体酸化物形燃料電池 / 相転換法 / 異方性空隙 / ガス拡散 / 異方性多孔質 |
研究開始時の研究の概要 |
固体酸化物形燃料電池(SOFC)の発電効率を一層向上させるため,高いガス輸送特性を有する燃料極多孔質構造を実現する.これまで高分子膜の作製に用いられてきた相転換法を応用することで,高いガス輸送特性が期待されるマイクロチャネル層と,高い電気化学活性が期待されるスポンジ状多孔質層が積層したセラミックス非対称膜を作製することを目指す.作製した非対称膜のガス輸送特性の評価と,SOFC電極としての電気化学活性を実験的に評価する.また,数値シミュレーションを用いて非対称膜内部の輸送・反応現象を解析することで,有効な非対称膜構造を推定し,それを実現するための作製方法を検討する.
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研究成果の概要 |
固体酸化物形セル(SOC)の多孔質水素極支持体に,相転換法を用いて非対称空隙を導入することでガス輸送特性を向上させ,ガス拡散抵抗の大幅な低減と,発電・電解性能の間の非対称挙動を低減することに成功した.また,導入した非対称空隙の構造を電子顕微鏡で詳細観察することで,従来の多孔質電極に対する優位性を定量的に示した.また,高燃料利用率条件下における水素極電気化学活性の実験的評価とモデル化,および水素極へのGDC触媒ナノ粒子導入によるさらなる非対称挙動の低減を行うことで,SOCのリバーシブル運転の実現のために有効となる知見を得た.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
SOCは水素を用いて高効率な発電ができるだけでなく,電力から水素を製造することもできるため,水素社会を実現するうえで重要な要素のひとつである.本研究で検討した相転換法をSOC作製に適用することで,SOCにおけるガス輸送抵抗の大幅な低減や,発電―電解運転間の非対称性挙動を抑制することに成功し,SOCの高効率運転やリバーシブル運転を実現するための重要な知見を得た.また,相転換法によって形成される非対称な空隙構造を定量的に解析し,従来の多孔質構造に対する優位性を定量的に示したことにも学術的意義がある.
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