研究課題/領域番号 |
19K14916
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
福江 高志 金沢工業大学, 工学部, 准教授 (80647058)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 脈動流 / 気泡制御 / 沸騰伝熱 / 高密度実装 / 狭隘場の冷却 / 伝熱促進 / 熱交換器 / バイオミメティクス / 気泡成長・離脱 / はく離 / 沸騰曲線 / 過熱度 / 強制水冷 / 沸騰冷却 / 高熱流束 / 電子機器の冷却 / 沸騰実験 / 沸騰制御 |
研究開始時の研究の概要 |
生体内の流れのような周期的に流量が変わる脈動流と沸騰冷却を融合した、新しい強制水冷技術を創成する。沸騰冷却機器において冷却を阻害する要因となる蒸気膜の発生と成長を、流れの脈動化により能動的に制御する新しい冷却機構を創成する。そのために、冷却機器に実装される伝熱促進体の周囲で発生する蒸気膜に対する脈動流の影響を、流れと温度場の可視化により明らかにし、蒸気膜の制御方法を構築する。そのうえで、3次元LSIに実装される冷却システムへの応用技術を構築する。
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研究成果の概要 |
生体内にみられる脈を打つ流れと沸騰冷却を融合した,新しい強制水冷技術の可能性について実験を通じ明らかにした.次世代の三次元LSIの冷却を想定した,狭隘な流路における沸騰冷却の促進を実現する上で,冷却を阻害する要因となる気泡を,流れの脈動化により能動的に制御する新たな冷却メカニズムの創成を図った.狭隘場に実装した発熱体の,脈動流を付与した場合の冷却能力と,発熱体まわりで発生する気泡の成長や離脱との関係を実験で検証した.結果,適切な脈動波形の設定により,気泡の成長を阻害したり,成長を抑制したりすることが可能であり,冷却能力の向上に寄与することを明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,バイオミメティクスの思想にヒントを得て,高発熱密度の冷却に用いる沸騰伝熱に,生体内の脈動流を融合させた新たな冷却メカニズムの実現を目指したものである.脈動流の適切な応用による沸騰伝熱の冷却促進が実現可能な感触が得られ,これは冷却流路が極めて狭隘になることが予想される次世代の超高密度素子の直接冷却に向けた有用な知見である.Society 5.0 のフィジカル空間とサイバー空間の融合化社会の構築が,ウィズコロナの掛け声のもとに加速されているが,情報機器の更なる進化が必須で,ボトルネックとなる電子機器の冷却技術にも新境地が求められる.本研究の成果がひとつの橋頭堡になることを期待している.
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