研究課題/領域番号 |
19K14919
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分20010:機械力学およびメカトロニクス関連
|
研究機関 | 早稲田大学 (2020-2021) 東京農工大学 (2019) |
研究代表者 |
上道 茜 早稲田大学, 理工学術院, 准教授(テニュアトラック) (10734155)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 燃焼振動 / 音響インピーダンス / 発振周波数 / 音響ネットワークモデル / 共鳴周波数 / 音響エネルギー / 圧力損失 / 振動モード / 音響的境界条件 / 熱音響 / 自励振動 |
研究開始時の研究の概要 |
火力発電用ガスタービンの燃料として水素を活用する技術開発が進められている.しかしながら,水素がガスタービンの燃焼状態に与える影響はまだ十分に調査されていない.申請者は,実験から天然ガスと水素の混合燃料を用いた場合,強い圧力変動を伴う燃焼振動の発振周波数の変化することを発見した.そこで,燃焼特性の変化が音響的境界条件に影響をもたらしているという仮説に基づき,本研究ではこの現象を本質的に理解するために,ガスタービン燃焼器内の複雑な燃焼現象をリダクションしたモデルを用いて燃焼特性を表現し,このときの音響的境界条件の変化を組み込んだ燃焼振動現象を表現するモデルを構築する.
|
研究成果の概要 |
水素混焼ガスタービンにおいて発生する燃焼振動の発振周波数が,天然ガス専焼の場合と比較して変化することに注目し,研究を進めてきた.本研究では複雑な燃焼現象の適切なモデルリダクションを行い,より複雑な燃焼振動現象を再現することができる低次元モデル構築を試みた.燃焼器よりも上流側にある配管要素を対象とし,音響的境界条件に音響インピーダンスを適用して音響ネットワークモデルを構築して発振周波数を計算したところ,実験で得られた発振周波数に近い値を含んでおり,本研究から燃焼振動の発振周波数の予測の指針が得られた.また,水素の燃焼特性が燃焼振動の発振に多大な影響を与えていることが明らかとなった.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
二酸化炭素を排出しないカーボンニュートラル燃料として,水素をガスタービンの燃料に利用する技術開発が進められている.とりわけ,機器の破損を引き起こし発電プラントの連続稼働を妨げる燃焼振動には回避あるいは抑制しなければならない.しかしながら,水素は従来使われてきた天然ガスなどと燃焼特性が大きく異なることから,燃焼振動を防ぐためには十分に調査する必要がある.本研究では,低負荷かつ物理に基づいたモデルを構築し,燃焼振動の発生予測に貢献することを目指している.本研究からは,燃焼器より上流の配管要素を考慮したモデル構築が重要であることが明らかとなり,プラント設計において重大な示唆を与えるものと考える.
|