研究課題/領域番号 |
19K14921
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分20010:機械力学およびメカトロニクス関連
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
志村 礼司郎 東京工業大学, 物質理工学院, 研究員 (70826586)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 酸化ハフニウム基強誘電体 / 圧電性 / 圧電測定 / 酸化ハフニウム / 圧電特性 / HfO2 |
研究開始時の研究の概要 |
酸化ハフニウム(HfO2)は新規圧電材料の有力な候補になり得るが、これまで膜厚が数十ナノメートル程度の極薄膜でしか強誘電相を示さなかった。そのため膜と基板のクランプや、膜厚が薄いことで測定値が小さく精度が悪いことから圧電性の正確な評価は困難であった。 研究代表者は従来より1桁大きい1マイクロメートル程度の膜厚で圧電性を示すHfO2膜の作製に成功している。そこで本申請ではこのHfO2厚膜を用い、基板とのクランプの低減や測定値の絶対値を大きくすることで、圧電デバイス設計に必要不可欠なHfO2の圧電定数の正確な値を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
酸化ハフニウムは2011年に強誘電性が発見され、Siプロセスとの整合性が高い新規強誘電体材料の有力な候補として注目されている。一方で、当時圧電応用に不可欠な厚膜化が難しいとされていたため、圧電材料としての利用はほぼ検討されていなかった。研究代表らは従来報告されている膜厚より1桁厚い1 μm程度まで酸化ハフニウム基強誘電体膜の厚膜化に成功しており、圧電MEMSなど圧電応用に必要な足掛かりをつかんでいる。 以上の背景を踏まえ、本研究の目的は酸化ハフニウム基強誘電体の圧電材料への応用を見据え、圧電デバイス設計に必要不可欠な圧電定数の真値を明らかにすることである。 本年度は下記の成果を得た。 (1) 室温でYSZ基板およびSi基板上に1μm程度の厚膜の作製に成功した。室温成膜はそれまでの熱処理と比較して絶縁性が向上しており、かつ、同等の電気特性を示した。これまでの厚膜作製プロセスでは800℃以上の熱処理が必要であったため、例えばフォトレジストなど耐熱性の低い素材を利用する場合、微細加工プロセスの工夫が必要であったが、本成果により基板等の微細加工が容易となった。 (2) 本研究はこれまでイットリウム(Y)を7%ドープした組成を用いて評価を行ったが、他の組成ではまだ評価していなかった。そこで、Yおよびジルコニウムの添加量を変化させ、室温で厚膜を製膜できるか調査した。その結果、Y7%の組成以外にも厚膜が作製でき、かつ圧電性が同等の組成があると判明した。この成果は現状の組成よりもより良い圧電性を示す組成が存在する可能性を示唆している。もしさらに大きい圧電性を示す組成が見つかれば、圧電測定の精度が向上するものと思われる。本成果はそのような圧電性向上のための組成探索の足掛かりになるため、非常に重要である。
|