研究課題/領域番号 |
19K14941
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
東郷 俊太 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (30751523)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ロボットハンド / ハンドシナジー / ソフトハンド / ソフトフィンガー / 人体模倣 / ワイヤ牽引 / 劣駆動 / 人間化ロボティクス / 主成分分析 / ワイヤ牽引機構 / 干渉機構 / ソフトロボット / 機構設計 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,ヒトの手指運動の基底であるハンドシナジーを機構として実装し,少数のアクチュエータで多様な手指運動を実現できるハードワイヤード・シナジーロボットハンドを開発する.ハンドシナジーとは、様々な手指姿勢のキネマティクスを次元削減して得られる基底であり,それらの線形和で元の手指姿勢を再構成する.提案ロボットは,単一のアクチュエータ出力を複数の関節に分配する機構とそれらの分配力の線形和を実現する機構から成る.我々の予備解析の結果に基づき,最終的に31種類の手指姿勢を3個のアクチュエータで生成することを目標とする.最終的には,複数アクチュエータ出力の分配・合成を自在にする機構の開発を目標とする.
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研究成果の概要 |
本研究では,ヒトの手指運動の基底であるハンドシナジーを機構表現し,少数のアクチュエータで多様な手指運動を実現するロボットハンドの開発を目的とした.ワイヤ牽引劣駆動ロボットハンドを開発した結果,劣駆動形式では物体の安定把持や知的な手指制御が困難であることがわかった.そこで,ロボットハンドの把持能力を向上させるため,人体構造を模倣したソフトフィンガーを開発した.実験の結果,末節骨の非対称性および硬い爪と柔らかい指腹の相互作用が,精密把持能力を向上させていることが明らかとなった.また,ドラムでワイヤを細径軸に押さえつけることで,高い牽引力を発揮できるワイヤ無限巻取り機構を開発した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で明らかとなった,ヒト指の構造が精密把持の能力を向上させることは,人体の筋骨格構造そのものが何かしらの機能的役割を持つことを示唆し,大きな学術的意義がある.特に,柔らかい指と物体との相互作用は,様々な物理現象が生じるため,シミュレーションよりも,着目する構造の一部のみを変更した2つのロボットを比較することで,その役割を実験的に明らかにすることができる.この人体模倣ロボットに基づいた,ヒトの身体の機能的役割を解明するアプローチは,さらに多くの身体部位に適用可能である.また,開発したワイヤ無限巻取り機構は,様々なアクチュエータに取り付けることができるため,非常に広範な応用が期待できる.
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