研究課題/領域番号 |
19K14943
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
志垣 俊介 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (50825289)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 全方位移動型トレッドミル / 雌定位行動 / 生物模倣型ロボティクス / 雌探索行動 / 匂い源探索 / カイコガ雄成虫 / 情報エントロピー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,昆虫の状況適応的に振舞う「賢さ」を工学的に再現可能か,という問いに対して,神経行動学と情報熱力学を統合的に用いることで挑戦する.昆虫は複雑に変化する環境に対して身体に備わる多様な感覚器情報を用いることで,次の行動を決定している.そこで本研究では,昆虫の行動選択指標を明らかにするために,まず,生物が環境から得る情報量と行動の関係性を神経行動学により取得する.次に,達成すべきタスクに必要となる情報を得るためにどのように行動を選択しているかを情報熱力学により定量的に解析する.最終的には,得られた現象を数理モデル化し,小型ロボットに実装することで,その性能を評価する.
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研究成果の概要 |
本研究では,昆虫の雌定位行動を題材として,昆虫が有する状況適応的な行動選択指標の獲得に取り組んだ.全方位移動型昆虫トレッドミルという新奇の行動計測装置を構築し,昆虫に与える感覚刺激と昆虫が出力する行動に介入する実験を行った.運動への遅れを設定した場合,感覚フィードバックにより行動を補正していること,また感覚に対して遅れ時間を設定した場合,感覚入力のズレを補正しようと積極的な探索行動が発現するという結果を得た.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果によって,人工システムが不得意とするむだ時間に対して,小規模な神経系で構成される昆虫がどのように対処しているのかを全方位移動型トレッドミルと呼ぶ新奇な実験系を通して知ることに成功した.介入系を用いてさらに実験・解析を進めることで,小規模な神経系でありながら適応的な振る舞いを支える内部コントローラを解き明かすことが可能となる.
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