研究課題/領域番号 |
19K14949
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
加古川 篤 立命館大学, 理工学部, 講師 (50755486)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 並列弾性アクチュエータ / 共振 / 板バネ / 周期運動 / 変分法 / ダイレクトドライブモータ / 有限要素解析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,DDモータ(ダイレクトドライブモータ)と板バネを組み合わせることにより,エネルギー損失を抑えた小型の並列弾性アクチュエータの設計理論および制御理論の構築を行う.これを達成するため,DDモータの電気的動特性や機械的動特性,ロボットの剛体が持つ動特性などを考慮した動作周波数や板バネの曲げ剛性のモデル化などを行い,並列弾性アクチュエータ全体の力学および制御モデルを構築することにより,効率向上のための動作周波数と板バネの板幅,板厚などの関係を理論的に明らかにする.最後にヘビ型ロボットを構成し,周期的な蛇行運動時における最適な動作周波数,板バネなどのパラメータの導出と実験による検証を行う.
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研究成果の概要 |
板バネ式並列弾性アクチュエータを用いたヘビ型ロボットのエネルギー効率をシミュレーションと実機実験により検証した.まず,板バネの剛性をRBSM法(Rigid Body Spring Model)と呼ばれる離散モデルと数値計算によってモデル化し,ヘビ型ロボットの動力学モデルを構築した.これらを用いて,関節トルクを最小化するような,板バネの剛性,ロボットの移動速度などをシミュレーションにより明らかにした.最後に,ヘビ型ロボットを開発し,運動効率をCoT(Cost of Transport)と呼ばれる指標によって評価した.最大で約50%のエネルギー効率向上を達成した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
周期運動を伴うロボットに弾性体を取り付けて運動を効率化する並列弾性アクチュエータはこれまでも数多く研究されてきたが,本体が複雑化,大型化する傾向にあった.一方,本研究で提案した板バネ式並列弾性アクチュエータは薄板金属である板バネを取り付けるだけなので構造がシンプルでほとんど大型化せずに済む.また,板バネは薄い長方形という単純な形状でありながら,板厚,長さ,幅,材料などを変更するだけで簡単に剛性を変化させられるため,低価格化や設計自由度の向上などにもつながる.本研究の成果により,ピックアンドプレイス,歩行,蛇行などの往復運動を行う小型のロボットや機械装置の高効率化が期待できる.
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