研究課題/領域番号 |
19K14956
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
高橋 一弘 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 助教 (60746973)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 大気圧プラズマ / パルス放電 / プラズマ液体相互作用 / 可視化計測 / 活性酸素種 / シミュレーション / 粒子画像流速測定法 / OHラジカル / テレフタル酸 / 放電電解 / プラズマ処理水 / 活性窒素種 |
研究開始時の研究の概要 |
放電プラズマを水に照射することで生成される活性酸素種(ROS)や活性窒素種(RNS)は,農作物の生長促進,プラズマ医療などのプラズマ応用技術において有用である。しかし,特定の条件下における放電処理水中のROS/RNSの生成特性は明らかにされているものの,ROS/RNSの生成を制御するための知見は未だ不十分である。本研究では,実験による種の生成レートや濃度分布の測定,液中化学反応に基づくROS/RNS反応シミュレーションにより,プラズマ処理水生成モデルを構築する。これにより,ROS/RNSの生成をコントロールし,プラズマ医療・農業分野への応用における放電処理水の低コスト化・高効率化の一助を担う。
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研究成果の概要 |
水上パルス放電における水中のpH,温度および流動を可視化するとともに,化学プローブであるテレフタル酸を用いたOH生成レートの推定を行った。放電プラズマの発生に伴う電荷交換反応により,水中にH+が生成されるとともに,放電先端付近からトーラス状に温度の上昇および流動が生じることがわかった。また,極性による放電進展機構の違いとOH生成に起因するマランゴニ対流が流速に影響を与えていると考えられる。テレフタル酸の副生成物を特定するとともに,それらの副生成物に基づく転化過程を予測した。また,一次元モデルにおける移流拡散方程式を解くことで,OH生成レートは14nmol/sと推定された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
放電プラズマと水の相互作用として生じる,水中のpH,温度および流動を可視化し,そのメカニズムを考察した。また,より正確なOH生成レートの推定方法を導入し,水中に生成される短寿命種の生成レートの推定を可能とした。これらを液中化学反応に基づくROS/RNSの生成シミュレーションモデルに導入することで正確なROS/RNS生成特性のシミュレーションが可能となる。また,将来的に放電照射水の生成をコントロールし,プラズマ医療・農業分野への応用における放電照射水の低コスト化・高効率化の一助を担うための基礎的知見が得られたと考えらえる。
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