研究課題/領域番号 |
19K14989
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
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研究機関 | 群馬大学 (2021-2022) 早稲田大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
齋藤 翔太 群馬大学, 情報学部, 准教授 (60822145)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 情報理論 / シャノン理論 / データ圧縮 / 有歪み情報源符号化 / 非可逆圧縮 / 歪み球 / 数学的基礎理論 / 歪みを許した情報源符号化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、未だに隔たりのある(i)圧縮率等の理論限界を解明するアプローチと(ii)実用的符号化アルゴリズムを構築するアプローチの溝を埋めるために、「(i)を(ii)に如何に近づけ、実際の符号設計の指針を与える理論アプローチを如何に確立するか」を問う。この問いの解決のために、本研究では歪み球を用いた理論アプローチをさらに発展させることで、実用的符号設計の指針となる理論限界を明らかにすることを目的とする。具体的には、より実用に近い仮定(情報源の統計的性質が未知、圧縮対象のデータの長さが有限等)をおいたもとで、歪み球を用いた明示的な符号の構成により、圧縮率等に関する計算可能な理論限界式を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究では、もとのデータと復元後のデータの間の違い(歪み)を許容した情報源符号化問題(非可逆圧縮問題)を扱った。歪みを許容した情報源符号化において、符号語長のキュムラント母関数という評価基準があり、これは平均符号語長や最大符号語長を一般化した概念である。本研究では、有限のデータ系列長を考え、歪みを超過する確率を一定値以下にしたもとでの符号語長のキュムラント母関数の最小値をレニーエントロピーに基づいた情報量により特徴付けられることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
画像や音声のデータは、もとのデータと復元後のデータが多少異なっていても問題ない場合が多いため、これらのデータの圧縮には有歪み情報源符号化の研究成果が用いられる。そのため、有歪み情報源符号化の研究の進展により、データの記憶容量や通信コストが減少すれば、限られた資源・エネルギーの節約につながる。本研究では、理論的にはどこまでデータを圧縮できるかというアルゴリズムの設計において目指すべき指針を与えた研究である。また、圧縮対象のデータの長さが有限であるという仮定のもとで結果を導いており、実用的な仮定のもとでの理論成果を導出している。
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