研究課題/領域番号 |
19K14990
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
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研究機関 | 東京都立産業技術高等専門学校 |
研究代表者 |
吉田 嵩 東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 准教授 (60778447)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 微分推定 / 計測用フィルタ / ノイズ除去 / 可変フィルタ |
研究開始時の研究の概要 |
これまでに,帯域制限と微分推定を1つのシステムで実現することによりこの問題を解決し,更に,フィルタリングによる処理遅延を低減可能な,低遅延特性を有する低域通過・帯域通過微分器が提案されてきた.本研究計画では,従来よりも耐ノイズ性能の高いディジタル微分器の設計とその可変構造の実現を研究目的とする.具体的には,2019-2020年度において従来提案されているディジタル微分器の可変構造化, 2021-2022年度において少ない次数で従来よりも高い耐ノイズ性能を実現するディジタル微分器の設計とその可変構造化 に取り組む.
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研究実績の概要 |
計測信号の微分推定の精度向上は,様々な分野のボトムアップにつながる.そこでこれまでに計測信号を帯域制限して信号対雑音比を向上させつつ高精度に微分を推定するディジタルフィルタ(以下,ディジタル微分器)が提案されてきた.しかしながら,従来設計法で耐ノイズ性能を高めるためには,高いフィルタ次数を必要とし,フィルタ回路規模・処理遅延の増加を招くという問題がある.更に,従来の微分推定フィルタは固定係数であり,計測環境のノイズ等に合わせて瞬時に特性を変化させることができない.そこで本研究計画では,従来よりも耐ノイズ性能の高いディジタル微分器の設計とその可変構造の実現を目的とする.具体的には,(1) 従来提案されているディジタル微分器の可変構造化 (2) 少ない次数で従来よりも高い耐ノイズ性能を実現するディジタル微分器の設計とその可変構造化 に取り組む.2023年度は,通過域平たん阻止域等リプル特性を有するFIRディジタル微分器の可変構造の提案に向け,任意の伝送零点を有する通過域平たんFIRディジタル微分器の閉じた伝達関数について提案した.従来は重根として扱われてきた最大平たんFIRディジタル微分器におけるω=πにおける伝送零点を単根として扱い,伝送零点を変更することで閉じた伝達関数を実現できる.この伝送零点をパラメータとして指定することで,最大平たん特性や等リプル特性を実現できる.すなわち,従来の設計問題がフィルタ係数を求める問題だったのに対し,提案手法を用いると伝送零点を指定するだけで任意の阻止域特性が実現できるようになる.したがって,阻止域端周波数と適切な伝送零点の関係を明らかにできれば,特性劣化のない可変フィルタを実現できると考えられる.2024年度は両者の関係を明らかにし,可変構造を提案することで研究のまとめとする.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
再帰構造の最大平たん微分器の設計法は提案できたものの閉じた伝達関数の導出には至っておらず,可変構造化について検討が遅れている.また,通過域平たん阻止域等リプル特性を有する非再帰型ディジタル微分器の可変構造について,パラメータの決定方法が明らかになっていないため.
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今後の研究の推進方策 |
・非再帰構造の通過域平たん阻止域等リプル微分器の可変構造化:可変構造については2023年度の研究成果により実現のめどが立った.一方,適切な伝送零点を指定するための方法が明らかになっていないため,2024年度の提案を目指す. ・閉じた式による再帰構造の最大平たん微分器の設計法の開発:継続課題であり,2021年度の研究成果を基に設計法を提案する.
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