研究課題/領域番号 |
19K14991
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
李 鯤 香川大学, 創造工学部, 助教 (10806483)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 広帯域インパルス / 電磁界解析 / 伝搬モデル / 人体影響 / 高信頼性通信 / 信号誤り率 / OTA評価 / 信号ビット誤り率 / 超広帯域インパルス / 生体センサ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,運転者緊急医療サービスを提供できる車内高信頼性無線センサシステムの研究開発を行うことである。本研究の学術的独自性と創造性は,直接に車内におけるUWBインパルス電磁界の高精度な伝搬シミュレーション技術と組み合わせ,車筐体と人体による影響を考慮した最適な伝搬通信路のモデル化が可能なアルゴリズムの研究開発にある。さらに,提案モデルをOTA無線性能評価装置(電波反射箱)に実装することで,これまで世界初のUWB-OTA測定システムの構築により,高度な医療IoT社会における様々な医療無線デバイスの性能評価及び開発に資する研究と成りえる。
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研究成果の概要 |
車内高信頼性医療センサシステムの開発を実現するため、広帯域バルス信号を車筐体内に伝搬する際に、生体組織の周波数分散特性を含めたパルス伝搬の高精度な電磁界解析アルゴリズムを構築できた。解析結果より、車内到来波角度が30度以上の場合、電力遅延広がりの変化率が40%以下となることが確認した。さらに、実際な超広帯域アンテナを試作し、運転姿勢を持つ人体のシャドウィング影響を考慮した車内伝搬測定を実施した。頭、胸、手首、足など人体のさまざまな部分に装着した受信アンテナは、車筐体に設置した送信アンテナとの偏波不整合によって大きいな遅延拡散を確認でき、電磁界解析と同様にアンテナの場所依存性が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高速鉄道車両や航空機における屋内無線LANシステムを評価する際、レイトレーシング法と有限時間領域差分法が挙げられる。しかし、幾何光学近似法の解析精度や、時間領域解析法の計算規模などの問題点が存在する。本研究では,これまでの手法とは大きく異なり,電磁界・伝搬アルゴリズムを融合する高精度な時間領域の解析手法を用い,生体組織の周波数分散特性を考慮した汎用性が高い車内無線伝搬パラメータについて検討した。さらに、実車内環境におけるUWB伝搬実験の実施によって解析アルゴリズムの妥当性検証を行うことによって、極端な電波利用環境における新たな医療センサシステムの構築に資することが期待できる。
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