研究課題/領域番号 |
19K14998
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21030:計測工学関連
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
井上 敏之 滋賀県立大学, 工学部, 講師 (90757709)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 非接触生体センシング / マイクロ波 / ミリ波 / レーダ / ビームフォーミング / CMOS集積回路 / 深層学習 / 非接触センシング / 信号処理 / FPGA / 生体センシング / マイクロ波センサ / 非接触計測 / 睡眠計測 / 心拍計測 |
研究開始時の研究の概要 |
今後ますます進行する少子高齢社会において,睡眠状態の可視化が重要視されている.非接触・非拘束で心拍や呼吸情報を検出可能な電波センサは,検出範囲が狭く固定されているため,測定対象ごとにセンサを近接して設置する必要があり,保育・介護現場等で複数人に対して計測を行うことが困難であった.本研究では,ビームフォーミング電波センサによる高感度睡眠計測システムを開発する.従来困難だった電波照射領域の動的空間制御が可能となるため,測定対象の位置特定後に限定的に電波を照射することにより,複数人の生体情報を高感度に検出できる.このシステムにより育児・介護現場での負担が軽減し,安全・安心な社会実現が期待できる.
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研究成果の概要 |
電子的にアンテナの指向性の制御が可能なビームフォーミング電波センサ回路システムの開発を行った.65-nm CMOSプロセスを用いて電波センサ回路チップを作製し,制御電圧を調整することにより0~360°の範囲で移相量を任意に設定可能であることを実証した.機械式方式によるセンサの回転制御,および赤外線カメラ画像を併用した測定対象位置特定技術の開発を行った.さらに,電波センサにより取得した心拍データに対する深層学習を適用した個人識別システムの開発を行った.対象者10人に対応可能な個人識別システムをFPGAを用いて構築し,平均で90%程度の正答率が得られることを確認した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
安全・安心な育児・介護環境の整備が求められている現代社会において,非拘束・非接触でバイタルサインを取得可能なシステムの需要が高まっている.電波センサは非拘束・非接触で心拍や呼吸等の微小な体動を検出であるが,従来は検出範囲が制限・固定されていたため,複数人の見守りに適用できなかった.本研究では,無線通信にも応用されているビームフォーミング技術を用いた電波センサ回路システムの実現を目指したものであり,独自に考案した回路構成により,高精度な電波照射方向制御を可能とする性能を達成した.また,見守り対象者の位置特定や,電波センサから得たデータのみを用いた個人識別など,新たな技術開拓にも成功した.
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