研究課題/領域番号 |
19K15022
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山原 弘靖 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (30725271)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | スピンクラスターグラス / スピン波 / 希土類鉄ガーネット / フレクソエレクトリック効果 / 短期記憶性能 / フレクソエレクトリシティ / コプレーナ線路 / クラスターグラス |
研究開始時の研究の概要 |
電荷の移動を伴わないスピン波は低消費電力動作の観点から新たな情報演算のキャリアとして注目されている。本研究においては、スピン波の伝搬における外場制御に焦点を置く。スピンクラスターグラスはランダムな磁性元素の配列により、低温でスピンが凍結し、光誘起磁性や熱来歴記憶の特徴的な記憶性質を示す。そのポテンシャルエネルギーは多数の準安定状態からなる多谷構造を取り、磁場・電界・光・熱による外場に対して状態を記憶することができる。本研究ではスピン波演算に向けて、酸化物クラスタースピングラスにおけるスピン波伝搬の外場制御技術の研究開発を目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、低消費電力の観点から新たな情報演算のキャリアとして期待されるスピン波に注目し、スピン波演算に向けた材料・デバイス開発を実施した。ガーネット型スピンクラスターグラスを開発し、スピン波伝搬を確認するとともに、物理リザバー計算に必要な短期記憶性能について優れた性能を示した。また、薄膜結晶成長におけるエピタキシャル格子歪を最適化することで傾斜歪構造を希土類鉄ガーネット薄膜に導入した。フレクソエレクトリック効果による誘電分極と磁化の共存が示唆され、スピン波の電場変調への応用可能性を示した。スピン波素子は局所加熱による変調技術を開発し、位相干渉によって再構成可能な論理回路を動作実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ICT利活用が進む中、関連機器の電力消費量は増加傾向にあり、今後ますます増加することが予測されている。急増するエネルギー消費問題を解決することは喫緊の課題である。電荷の移動を伴わないスピン波はジュール損失が存在しないため、低消費電力動作の観点から新たな情報演算のキャリアとして注目されている。スピン波デバイスによる情報処理を実現するにはスピン波の外場による変調技術が求められ、本研究では外場変調とスピン波位相干渉によって再構成可能な論理回路を動作実証した。さらに光・電場制御を目指して光誘起磁性を示すスピンクラスターグラスや残留分極を示す傾斜歪み構造のガーネットフェライトを開発した。
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