研究課題/領域番号 |
19K15026
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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研究機関 | 関西大学 (2020) 大阪大学 (2019) |
研究代表者 |
山本 真人 関西大学, システム理工学部, 助教 (00748717)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 二次元材料 / 相転移材料 / 急峻スロープFET / 遷移金属ダイカルコゲナイド / 二酸化バナジウム / 六方晶窒化ホウ素 / トランジスタ |
研究開始時の研究の概要 |
トランジスタにおける消費電力の低減は、テクノロジーが今後も持続的に発展する上で重要な要請の一つである。近年、超低消費電力トランジスタとして、絶縁体から金属へと熱的相転移を示す材料を電極に用いた、相転移トランジスタが注目されている。本研究では、モノリシック型相転移トランジスタにおいて相転移材料電極をナノスケール化することでその相転移特性を増強し、実用化に資する超低消費電力性・高速性の実現を目指す。さらには、高性能相転移トランジスタを基盤とした相補型論理回路を作製・評価することで、将来の集積回路への実装可能性を明らかにする。
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研究成果の概要 |
わずかなエネルギーで急激にオン・オフスイッチする相転移トランジスタは、次世代のエレクトロニクス基盤デバイスとして期待されている。本研究では、典型相転移材料であるVO2と優れた電界制御性を示す二次元MoS2を用いて相転移トランジスタを作製し、その高性能化に必要な知見の構築と性能改善を行った。具体的な成果としては、VO2とMoS2との間には大きな接触抵抗が存在することを明らかにした。また、VO2とMoS2との接触抵抗の低減を目的として、バッファー層となる二次元絶縁体上での高品質VO2薄膜成長に成功した。本研究で得られた結果は、相転移トランジスタの論理回路応用への第一歩として重要なものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
コンピューターは、その基盤デバイスであるシリコンFETを微細化・集積化することで発展を遂げてきた。しかし、近年、微細化・集積化によるコンピューターの高速化は限界に近づいている一方、その消費電力は増加を続けている。したがって、現在のFETに代わる新原理・新構造FETの開発が必要不可欠とされている。本研究では、わずかなエネルギーで抵抗値が急激に変化する相転移材料と電界制御性の優れた二次元半導体を応用することで、低消費電力相転移FETの構築を目指したものである。本研究で得られた知見を元に高性能な相転移FETが実現できれば、将来的に相転移FETを基盤とする低消費電力コンピューターの実現も期待される。
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