研究課題/領域番号 |
19K15032
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
別府 孝介 龍谷大学, 先端理工学部, 助教 (20824882)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 反強誘電体 / NaNbO3 / 薄膜 / エネルギー貯蔵 / 非鉛反強誘電体 / PLD法 / パルスレーザー蒸着法 / 反強誘電薄膜 / ドメイン構造 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では結晶配向性の異なるNaNbO3系非鉛型反強誘電薄膜を作製し,結晶構造・電気特性評価を行う.具体的には (1)非鉛型反強誘電薄膜のドメイン構造と結晶方位・電気特性との関係を検討する. (2)電場・温度によるドメインと局所構造の動的挙動を「その場観察」することにより構造と動的挙動の関係を解明する. 上記2つの検討を行うことでドメインならびに局所構造制御技術の確立を行う.得られた知見をフィードバックし,ドメイン・局所構造を精密制御した薄膜を用いて,構造と電気特性の関係を解明する.以上の検討を進めることで,高性能反強誘電薄膜開発のための設計指針を築くことを本研究の目的とする.
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研究成果の概要 |
本研究ではNaNbO3系反強誘電薄膜の作製とエネルギー貯蔵能に関する検討を行った.その結果,NaNbO3に少量のペロブスカイト型酸化物を固溶させた反強誘電薄膜を複数種(NaNbO3-CaZrO3,NaNbO3-SrZrO3,NaNbO3-CaSnO3)作製することに成功した.また,薄膜中で反強誘電相の結晶成長方向を制御することでより強く反強誘電相を安定化させることができることを見出した.さらに作製した反強誘電薄膜は高温条件においても反強誘電相が安定化されており,優れたエネルギー貯蔵密度を有していた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
反強誘電体は強誘電体や常誘電体と比べ高い密度でエネルギーを蓄えることができるためエネルギー貯蔵用コンデンサなどへの応用が期待されている材料である.しかし,既報の材料は有害な鉛を用いたものが多く,非鉛化が求められている.本研究では非鉛反強誘電材料であるNaNbO3系酸化物薄膜の作製に成功し,そのエネルギー貯蔵特性は既報の誘電セラミックスに匹敵することを示した.また,NaNbO3系反強誘電薄膜の設計指針を見出しており,今後の材料設計に寄与する成果を得ている.
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