研究課題/領域番号 |
19K15036
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
研究代表者 |
井上 曜 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 電気情報学群, 准教授 (30723770)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | テラへルツ / 液晶 / 移相器 / テラヘルツ |
研究開始時の研究の概要 |
研究初期には、テラヘルツ液晶移相器の位相変化量を高める方法を模索する。これまでに、テラヘルツ液晶移相器の高速化を実現してきた高分子液晶複合系を利用することをベース技術とし、そのデバイスの位相変化量を改善することが主な目標となる。このとき、重要となるのは1mmを超える素子厚さを持つ液晶素子の配向制御技術と、厚さ方向に均一な高分子構造を実現する手法である。これらの目標が達成され、大きな位相変化量と短い応答時間を両立するテラヘルツ液晶移相器を実現した場合、最終的にテラヘルツ波の指向性を制御することが可能なデバイスの開発を検討する。
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研究成果の概要 |
本研究は、液晶を用いたテラヘルツ移相器の実現を目的とした研究であり、次世代高速無線通信技術の根幹を担う技術の開発に寄与することが期待される。テラヘルツ液晶移相器は、電界により連続的で大きな位相制御が可能なメリットがあるが、スイッチングの応答速度の遅さに重大な課題を持っている。そこで、本研究ではポリマー液晶混合系で得られる高速な局所的分子運動を利用する手法と、螺旋液晶の高速応答成分を利用する二つの改善手法を提案した。その結果、双方の手法において、数十ミリ秒の短い応答時間と数十度程度の位相変化量を同時に達成することに成功し、テラへルツ液晶移相器として実用化に耐えうる技術レベルを実現した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
電波と光の境界の周波数領域に相当するテラヘルツ波 (0.1 THz~10 THz) は、従来から無線通信に用いられてきたミリ波・マイクロ波などの電波に比べてより高周波であり、一度に多くの情報を伝達できるため、無線通信の高速化が可能である。このため、テラヘルツ波は第6世代の高速無線通信技術に利用される帯域として期待されており、ミリ波・マイクロ波帯で用いられるようなフェーズドアレイ法の実現が望まれている。そのような中、液晶を用いたテラへルツ移相器は重要な研究テーマとなっている。本研究では、大きな位相変化量と高速応答性を両立することに成功し、テラへルツ液晶移相器の実用化に向けて大きく前進した。
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