研究課題/領域番号 |
19K15038
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
本間 浩章 東京大学, 生産技術研究所, 特任助教 (70833747)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | MEMS / エナジーハーベスタ / 振動発電 / 広帯域化 / 非定常振動 / IoT / エレクトレット |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、環境中に多く存在する時々刻々変化する非定常振動からエネルギーを回収して発電するMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)型の振動発電素子の実現に挑戦する。特にエレクトレット(永久電荷)を用いた振動発電機構の電気的損失(機械-電気変換による電気的出力)増強によって帯域幅を拡張することで、ランダム性の強い環境振動においても効率の良い振動発電を実証する。本研究により定常振動源の有無に関わらず微弱な環境振動からの常時充電が可能となり、設置場所を選ばないIoT無線センサ端末の電源として、「トリリオン・センサ」社会の実現に貢献する。
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研究成果の概要 |
本研究では、機械的共振による速度増幅に依存することなく静電型振動エナジーハーベスタの周波数帯域幅を改善する設計手法を提案し、新たに非定常振動型発電素子を実現した。従来の共振型と異なり、短い櫛歯電極構造によりエレクトレットを高密度化し、微小な可動部変位でも誘導電流を回収する。 同一レイアウトの非定常振動型発電素子チップを作製し、エレクトレット電位を-200 Vから-300 Vを増強した際に、NPD(Normalized Power Density)は0.7 mW/cm3/G2の高い値を維持したまま、帯域幅が3.6倍改善し64 Hzに拡張されることを実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の振動発電素子において帯域拡張手法は、素子が肥大化し微小振動への応答性も劣化していた。一方、本研究が提案する手法では、素子面積は変えずにエレクトレット密度の増強により帯域幅を拡張でき、製作した非定常型振動発電素子は世界最高クラスの出力性能と帯域幅を併せ持つ。 よって、提案する帯域拡張手法と非定常振動型発電素子により、非定常な環境振動下でも無線センサ端末の設置場所を選ばないIoT(Internet of Things)センサネットワークの構築が可能となる。
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