研究課題/領域番号 |
19K15040
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
貝原 輝則 東京農工大学, 学内共同利用施設等, 特任助教 (70835595)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | プラズモンドラッグ / ホットキャリア / プラズモン / フォトンドラッグ / センサー / ホットエレクトロン |
研究開始時の研究の概要 |
プラズモン共鳴センサーはリアルタイム、ラベルフリー測定が可能等の利点があり、生化学や遺伝子工学等の分野において広く利用されている。しかし、振動等外部環境変化に脆弱で大型・高価となり易く臨床現場やIoT用センサー等、人々の暮らしにより身近な範囲への応用の妨げとなっている。 本研究課題では、金属中のプラズモンの運動量やエネルギーによって起電力が生じる現象(各々、プラズモンドラッグ効果とプラズモン励起ホットエレクトロンと呼ぶ)を利用したプラズモン-電気直接変換と、その屈折率に対する変化を用いることで複雑な光学部品を廃し、電子集積回路のサイズで、頑丈、安価で高分解能なチップ型センサー開発を目的とする。
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研究実績の概要 |
プラズモン共鳴(SPR)センサーは高速、リアルタイム且つラベルフリーの測定を可能とし生化学や遺伝子工学の分野で広く利用されている。しかし、使用するバルクの光学機器の為、振動や外部環境変化に脆弱で大型・高価になり易く利用範囲が制限されている。本研究課題では高効率化したプラズモン-電気直接変換を用いてバルク光学機器を廃し、超小型、安価、頑丈で高分解能のチップ型センサーの開発を目的とする。金属上に生じる表面プラズモンの運動量によって光起電力が生じる現象(プラズモンドラッグ効果)は金属に接する媒質の屈折率変化によって変化する為、これをセンサーとして応用すると電子集積回路のサイズでSPRセンサーが実現できるだけでなく従来を上回る検出限界と空間分解能の本質的改善が期待できる。 この目標として(1) 材料・サイズ・構造を最適化しプラズモンドラッグ効果を最大化する、(2) プラズモン励起ホットキャリアを利用した光電流取出しを行うことを目指す。 今年度は以下の項目を実施した。(1) シミュレーションによる貴金属(Au等)と卑金属(Co,Al等)のプラズモンドラッグ効果の評価により卑金属の方が光起電力に有利であることを示した。(2) ホットキャリアの引出し媒体として酸化チタンを用いることを検討し、シミュレーションによりAu上にプリズム結合にて生じた表面プラズモンから光起電力が得られることを示した。(3) 回転ステージ上に電極を設けた試料と単パルスレーザによってプラズモンドラッグ効果を測定する実験系を構築し、Auのプラズモンドラッグ効果を確認した。(4) 蒸着とアニール処理による酸化チタン薄膜の成膜方法を検討しキャリア伝導に有利と考えられるアナターゼ相を得た。
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