研究課題/領域番号 |
19K15067
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22010:土木材料、施工および建設マネジメント関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
田中 豊 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, 研究員 (00792706)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 塩害 / 海洋構造物 / 維持管理 / 桟橋 / 数値解析 / 風況解析 / 付着塩分 |
研究開始時の研究の概要 |
海洋鉄筋コンクリート構造物における維持管理の高度化および点検の効率化を目指して、塩害による劣化が進行しやすい箇所およびその条件を明らかにすることを本研究の目的とした。本研究では、係留施設の一種である桟橋の上部工を対象として、海水飛沫からの直接的な塩化物イオンの供給に着目し、①実桟橋における現地観測および②構造形式や波高・波向等をパラメータとした数値解析により、桟橋上部工下面における塩化物イオン供給の空間的な分布に影響を及ぼす要因を検討し、塩化物イオンが供給されやすい箇所およびその条件を明らかにする。
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研究成果の概要 |
係留施設の一種である桟橋の上部工下面を対象として、現地における表面塩分濃度測定および数値流体解析による風況解析を実施し、桟橋上部工下面における塩化物イオンの供給メカニズムについて検討を行った。現地測定による表面塩分濃度の空間分布と桟橋上部工下面の風況解析結果との間に相関があることが示唆された。また、パラメトリックスタディーにより、海面と桟橋上部工下面との距離が近いほど風速場が乱れて梁側面や床版に直接的に向かう流れが形成され、塩化物イオン供給の空間的な非一様性に影響を与えていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
桟橋は非常に厳しい塩害環境下にあるため、特に上部工下面は塩害による劣化が進行しやすい。施設を長期に亘って安全に利用するためにも適切な維持管理が必要であるが、上部工下面の点検は、小型ボート等からの目視点検が一般的であり、労力を要する作業となる。本研究では、数値解析により塩化物イオンが供給されやすい箇所を概ね見当付けることができることを示した。この成果は、重点的に点検する箇所やセンサ設置箇所の選定等の維持管理の高度化および効率化に資するものであり、社会的意義が大きい。
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