研究課題/領域番号 |
19K15081
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22020:構造工学および地震工学関連
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研究機関 | 山口大学 (2020-2021) 石川工業高等専門学校 (2019) |
研究代表者 |
本間 小百合 山口大学, 大学院創成科学研究科, 助教 (60772499)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 制震部材 / 方杖型 / 木質軸組 / 薄鋼鈑 / 鋼製ダンパー / 耐震改修 / 方杖 / 制震 / 薄板 |
研究開始時の研究の概要 |
木造軸組構法に対して柱と梁の仕口周りにコンパクトに取り付く方杖を用いることで、開口部が確保でき、耐力壁の増設に比べて、施工が容易となるため低コストに繋がる。建物が地震時の水平力を受けた時、木造軸組は仕口で大きな回転変形が生じ、この変形が軸組全体で大きな水平変位を誘発させる原因となっている。本研究では、方杖を用いて仕口を補強する事により木造軸組全体の剛性・耐力を向上させることを考えている。また、使用する方杖部材(靱性型方杖)の中に制震要素を持たせて仕口部のエネルギー吸収能力を改善させることも考えている。以上の仕口の補強効果に対し力学的解明を行うことで木造軸組構造の合理的な耐震補強を追求する。
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研究成果の概要 |
木造軸組構法では、地震時の水平力に対し筋かいを入れた軸組部分を耐力壁として負担させるのが一般的である。木造軸組に対して筋かいなどで耐震補強を施す場合、開口部を犠牲にして耐力壁を増設することが考えられる。そこで、木造軸組の耐震補強と既存開口部の保持が可能な靭性型方杖での耐震補強の可能性を検討した。本研究では、鉄骨造建築物に対して開発された靭性型方杖を既存の木造住宅に適用し、その最適な形状を検討した。薄鋼板を用いた靭性型方杖の単調載荷実験及び繰り返し載荷実験を行い、靭性型方杖を用いた木造軸組について、木造軸組の接合部を考慮した非線形フレーム解析を行い同方杖の効果について検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでに、鋼構造に対して、損傷制御となる方杖型の制震部材の研究を行った結果、制震部材の導入により架構の耐力・剛性を極端に向上しないことが分かった。そこで、本研究では、主架構に損傷を与えずに主架構全体の剛性・耐力を向上させるため、薄鋼板を用いた方杖型の制震部材を木造軸組構造への適用を検討した。また、半剛接合となる仕口部の回転剛性を活用し、制震機能についても検討した。その結果、地震動による水平力を受けた際の木造軸組における仕口の回転変形(スリップ型の履歴)を活用し、木造軸組の架構に合わせて方杖部材の剛性・耐力を調整することで、同部材が早期に降伏し、ダンパーとしての機能を果たすことが分かった。
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